イントロ
「ぴょんぴょん」時代の私は23ページかそこらの連載しか持ったことがなかったので、かなり早めに製作に入った。アシスタントだっていなかったし…。あっという間に追いつかれたけどね(笑)
当然アニメもないので、富田さんもかなりの時間を割いていて、まず富田氏・担当M・私の三人で富田氏提示の原案に肉付けして(ッてーか二人がアレコレ勝手なことを言って)、それを踏まえて富田さんがシナリオを仕上げ、そのシナリオでコマ割り(ネーム)作ってMと打ち合わせ(直し喰らうってことだ)最後決定稿(下描き。
ま、結構初期から演出はありましたからね、まんまシナリオ通りってことは無かった)をMと富田氏にFaxしてご確認…ってな流れ。今考えるとエライ。後々の状況(大暴走(笑)…ファンに名高かったそうですな?)を考えるとソラオソロシイ。そうそう、他の原作者の場合は知りませんけど、富田さんのシナリオは「アニメ形式」だった。"ここでCM"が入ってないくらいの差(笑) ま、そっちのプロなんだから当たり前といえばそうだが。
殆どいないと思うけど、初版本持ってる方。(アニメ企画とか一切関係なく、小部数で出ましたので、ほんとにごく一部しか持っていないでしょう)…タイトルが違うはず。「ウェディング ピーチ」 再販本は持ってないんですけどバックもちょっと違ってた気がする…(私がちゃんと背景を描かなかったので…コレは担当の差?アニメ化が決まったときは担当が変わっていたのだ)

ウェディング・ピーチ単行本第一巻初版 |
「愛天使伝説」はしょっぱなから削られたけど(雑誌のみのタイトルだった)、ピーチの表記はタイトル「ウェディング ピーチ」(ハートマーク)、本編「ウェディング・ピーチ」だったのです。雑誌では、連載途中から「せりふの部分でもハートマークにしよう」と決定して、ほんの一瞬だけ「ウェディング ピーチ」だったと思う。ももよめ別館の学年誌掲載のマンガを見るとわかる。(94年10月号) ただその後戻ってるんだよね…わからん。ちゃおはハートで通してたと思うなあ…。
ついでに言うとドイツで、この学年誌収録分をコミックスにまとめた時、彼らは御丁寧にも翻訳元の写植にあるままハートマークの部分はちゃんとハートマークで残したのだ。アメリカ版もコレに準じた。おかしいだろ?一部だけハートマークピーチなんて…??
が、本当にアニメ化が決まった時、商標登録だかなんだかで「ウェディング・ピーチ」は引っかかるということが判明!切っちゃダメなんだって。で、つなげて「ウェディングピーチ」になったのだ。ということで、「アニメ化決定」のときは2巻の準備中だったんだけど、それとコミックス1巻と合わせて台詞を全て変更。で、1巻再版(回収したのかな…その辺は知らない。回収するほど出てなかったと思うが)。
元々「アニメするぞー」って企画なんだからその辺チェックしとかないのかなーと思ったんだが…もし点をとっても使えなかったら、どうする気だったんだろう?

第一章(章というのか?)
何はどうあれ、ももこの頭がすさまじい。だからテリベタできなかったんだってば。キャラの体型もコマ割りも少女漫画してない。少女マンガの文法を知らなかったんだからしょーがない。そしてオッソロシイ花とドレス。なかよしさんの真未ピ(ピーチを通して仲良しさんになったんだけどね)に「石鹸で出来たバラ」といわれた。あまりにその通りなのでツボにはまってしまった。硬いんだよねえ。少女漫画を描かなくなって大分になるが、今は多少マシなバラを描ける。必要ないけど。
少女漫画の原作なんかしたことのないオジサン(魔法少女モノの脚本はやってたけどね)と、まともに少女漫画を描い たことのない若手(…ギリ若手。まだギリ若手)が組んでるんだからどーしょーもない。唯一少女漫画がわかるのは担当編集者Mだが、コイツは男だ。しかし私は彼に少女漫画のいろはを教わったのだった(笑) 彼が「辣腕編集者」かどうかはともかくとして、結構「あ、そーか」的なことは習った。 でも少女漫画家として定着しなかったからちゃんとは身につかなかったってことかもね(笑) Mとは短かったし。
てなことで、当初は良い子してたし打ち合わせもかっちりやってたから、特に一回目は台詞の言い回し以外、多少カットはしたが、まあ大体シナリオ通り。(普通のマンガ原作がどんなものか知らないけど、富田さんのはアニメのシナリオと同じだった) だから少女漫画っぽくないコマ割とも言える。コマが小さい。余裕ないんだよ、余裕。感覚的にアニメ一本のシナリオ分くらい入ってんだから(そっちの方面はプロ中のプロだから体に染み付いていたのかも知らん(笑))、だんだん慣れてくるにしたがってカットの量が増えていったのは言うまでもないでしょう…おまけに別なシーンやエピソード入れるんだからね(笑)
ママのドレス…悲惨のきわみだ。富田さんがこれ見てひっくり返っていたとしてもちっとも驚かない(そんな事一言もおっしゃらない思いやりのある方だが)。資料用にと渡された大量のウェディングマガジンを引っくり返して何とか描けそうなドレスを探した。描けてないが。ところで、こういうのって一人で着れるものなんですか?
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初登場がヒロインの家を葉っぱの影か窺う悪魔って悲しすぎます。アニメみたいに飛んでくるシーンはなかったっす(あっても入らなかっただろう)
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…こういうトコだけ楽しかった私。「どっきーん」じゃないほうよ(ひでえ顔だ)
ストーリー展開として、ヒロインの本命がハッキリせずに読者をじらすパターンと、読者にはハッキリと「相思相愛」が見えていて、くっつきそうでくっつかない事に焦らされる、そのどちらを取るかで話をしまして…ありがたいことに後者に決まりました。ごめんね〜柳葉君のどこがいいのかさっぱり分からなかったのさ(笑) それが見えないと、自然なアドリブが出せなくなっちゃって、きっちりシナリオ通りに描く、硬い漫画になっちゃう。…ってーか、この段階で「冨田ようすけ」を理解することを打っちゃって自分のよーすけをやる事を想定していたって事か…そう思うと最初から結構勝手なことしてたのだな〜。ま、てなわけで、そして担当Mの「指導」もあって、ももこったら年中ようすけにドキドキしまくり。
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試合が終わったグラウンドで特訓するかなあ…校庭でやる練習試合じゃないんだからなあ…ミーティングじゃないのかなあ…でもそうするとボールが飛んでこないなあ…それにしてもこのボール誰が蹴ったのかなあ… |
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美形を見た女の子の反応を入れてくださいとMにいわれた。ようすけ登場の場面もそう(ありゃ美形じゃないが)。その通りだが気が付かなかった。も一つ言うとチットモ美形に描けてない(笑) |
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ちゃんと口上も言ってんです。ページがないというのに。でもこのときは「ごきげんななめ」の決め台詞は出来てなかったんです。これまた「ピーチ全編集者会議」みたいなところで決まったような気がします。するならするで連載前に準備しとこうよ、って感じですが。でも「お仕置き」はされたらヤだけど、「ごきげんななめ」は「それがどーした」って気になるよなあ…。(アニメでもネタにしてたよね〜)
コンパクト
わけも分からずコンパクト、ってことなので適当に描いたら、あまりにひどすぎたのでTENYUから追加でデザイン画がやってきて、途中から変更。コミックスでは描きなおした。アニメでは、またさらに変わったけど(金型の都合ではないかと思う)、もう付き合わなかった(笑) 楕円形のコンパクトを見てまーるいのしか知らなかった私はばビックラこいたのだ。
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セントカメラ
これにいたっては「聖カメラでストロボをたくのです」って女神さまの台詞があって「ピーチ、カメラのようなものを構えて…」とかシナリオにあったら、本当に「カメラのようなもの」を描いちまったのだ。渡したその場でMが「いくらなんでもこりゃだめだよ!」…そりゃそうなのだ、その通りだ。結局これもTENYUからデザインをもらったような…気がする(自分でやったんじゃないと思うんだけど…)。だから「リアルカメラ」は雑誌には載らなかったが、その後もう一度デザインの変更があって、これまた単行本になるときに直したのだ。
これって要するにカメラのおもちゃを出そうってことだったんだが…
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あのね、少女漫画初心者なだけじゃなくて、「魔法少女モノ」無知者だったのだよ。「ミンキーモモ」からして名前しか知らないし。最後に観た魔法少女アニメは「魔女っ子メグちゃん」だったのだ(知ってる人いる?) グッズ戦略がアニメに本気導入される前だ。「カワイイグッズを」な〜んて全く頭になし。…まあさ、「ぴょんぴょん」で「中華魔女シリーズ」のコミカライゼーションはやったけどさ、別に製作者サイドの視点で見たわけでもファンの視点で見たわけでもないから、そういうとこマジで気が付かなかったわけ。「メンドクサイバトンヤダナー」くらいのもんよ(笑)
勿論セラムンが人気なのは知ってたけど、観たことなかったし。本当にそういうの興味ない人なんでした。ああ、なんでピーチが回ってきたのか…世の中って不思議ね。それに引き換え真未ピはそういうの大好きっ子だったので、良く頼ってました…はあ。
関係ないけど、この回と次の回カラー表紙で、1回目に渡したカラーがあんまりひどくて「エアブラシとか使ってよ」といわれ、エアブラシ買ったのだった。これ以降カラー表紙のバックはブラシとレースのオンパレード(笑) でもって、在庫が無かったからか、この「勘弁してよ」イラストが下敷きになってアニメメイトで売ってた。…こいういのね、こっちに「承諾」求めないのよ。そんなもんなのさ、漫画家の位置づけなんて…。

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