イントロ 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 番外編

イントロ

「ぴょんぴょん」時代の私は23ページかそこらの連載しか持ったことがなかったので、かなり早めに製作に入った。アシスタントだっていなかったし…。あっという間に追いつかれたけどね(笑) 

当然アニメもないので、富田さんもかなりの時間を割いていて、まず富田氏・担当M・私の三人で富田氏提示の原案に肉付けして(ッてーか二人がアレコレ勝手なことを言って)、それを踏まえて富田さんがシナリオを仕上げ、そのシナリオでコマ割り(ネーム)作ってMと打ち合わせ(直し喰らうってことだ)最後決定稿(下描き。

ま、結構初期から演出はありましたからね、まんまシナリオ通りってことは無かった)をMと富田氏にFaxしてご確認…ってな流れ。今考えるとエライ。後々の状況(大暴走(笑)…ファンに名高かったそうですな?)を考えるとソラオソロシイ。そうそう、他の原作者の場合は知りませんけど、富田さんのシナリオは「アニメ形式」だった。"ここでCM"が入ってないくらいの差(笑) ま、そっちのプロなんだから当たり前といえばそうだが。

殆どいないと思うけど、初版本持ってる方。(アニメ企画とか一切関係なく、小部数で出ましたので、ほんとにごく一部しか持っていないでしょう)…タイトルが違うはず。「ウェディングピーチ」 再販本は持ってないんですけどバックもちょっと違ってた気がする…(私がちゃんと背景を描かなかったので…コレは担当の差?アニメ化が決まったときは担当が変わっていたのだ)


ウェディング・ピーチ単行本第一巻初版

「愛天使伝説」はしょっぱなから削られたけど(雑誌のみのタイトルだった)、ピーチの表記はタイトル「ウェディングピーチ」(ハートマーク)、本編「ウェディング・ピーチ」だったのです。雑誌では、連載途中から「せりふの部分でもハートマークにしよう」と決定して、ほんの一瞬だけ「ウェディングピーチ」だったと思う。ももよめ別館の学年誌掲載のマンガを見るとわかる。(94年10月号) ただその後戻ってるんだよね…わからん。ちゃおはハートで通してたと思うなあ…。

ついでに言うとドイツで、この学年誌収録分をコミックスにまとめた時、彼らは御丁寧にも翻訳元の写植にあるままハートマークの部分はちゃんとハートマークで残したのだ。アメリカ版もコレに準じた。おかしいだろ?一部だけハートマークピーチなんて…??

が、本当にアニメ化が決まった時、商標登録だかなんだかで「ウェディング・ピーチ」は引っかかるということが判明!切っちゃダメなんだって。で、つなげて「ウェディングピーチ」になったのだ。ということで、「アニメ化決定」のときは2巻の準備中だったんだけど、それとコミックス1巻と合わせて台詞を全て変更。で、1巻再版(回収したのかな…その辺は知らない。回収するほど出てなかったと思うが)。

元々「アニメするぞー」って企画なんだからその辺チェックしとかないのかなーと思ったんだが…もし点をとっても使えなかったら、どうする気だったんだろう?

第一章(章というのか?)

何はどうあれ、ももこの頭がすさまじい。だからテリベタできなかったんだってば。キャラの体型もコマ割りも少女漫画してない。少女マンガの文法を知らなかったんだからしょーがない。そしてオッソロシイ花とドレス。なかよしさんの真未ピ(ピーチを通して仲良しさんになったんだけどね)に「石鹸で出来たバラ」といわれた。あまりにその通りなのでツボにはまってしまった。硬いんだよねえ。少女漫画を描かなくなって大分になるが、今は多少マシなバラを描ける。必要ないけど。

少女漫画の原作なんかしたことのないオジサン(魔法少女モノの脚本はやってたけどね)と、まともに少女漫画を描いたことのない若手(…ギリ若手。まだギリ若手)が組んでるんだからどーしょーもない。唯一少女漫画がわかるのは担当編集者Mだが、コイツは男だ。しかし私は彼に少女漫画のいろはを教わったのだった(笑) 彼が「辣腕編集者」かどうかはともかくとして、結構「あ、そーか」的なことは習った。 でも少女漫画家として定着しなかったからちゃんとは身につかなかったってことかもね() Mとは短かったし。

てなことで、当初は良い子してたし打ち合わせもかっちりやってたから、特に一回目は台詞の言い回し以外、多少カットはしたが、まあ大体シナリオ通り。(普通のマンガ原作がどんなものか知らないけど、富田さんのはアニメのシナリオと同じだった) だから少女漫画っぽくないコマ割とも言える。コマが小さい。余裕ないんだよ、余裕。感覚的にアニメ一本のシナリオ分くらい入ってんだから(そっちの方面はプロ中のプロだから体に染み付いていたのかも知らん())、だんだん慣れてくるにしたがってカットの量が増えていったのは言うまでもないでしょう…おまけに別なシーンやエピソード入れるんだからね()

ママのドレス…悲惨のきわみだ。富田さんがこれ見てひっくり返っていたとしてもちっとも驚かない(そんな事一言もおっしゃらない思いやりのある方だが)。資料用にと渡された大量のウェディングマガジンを引っくり返して何とか描けそうなドレスを探した。描けてないが。ところで、こういうのって一人で着れるものなんですか?

初登場がヒロインの家を葉っぱの影か窺う悪魔って悲しすぎます。アニメみたいに飛んでくるシーンはなかったっす(あっても入らなかっただろう)

…こういうトコだけ楽しかった私。「どっきーん」じゃないほうよ(ひでえ顔だ)

ストーリー展開として、ヒロインの本命がハッキリせずに読者をじらすパターンと、読者にはハッキリと「相思相愛」が見えていて、くっつきそうでくっつかない事に焦らされる、そのどちらを取るかで話をしまして…ありがたいことに後者に決まりました。ごめんね〜柳葉君のどこがいいのかさっぱり分からなかったのさ(笑) それが見えないと、自然なアドリブが出せなくなっちゃって、きっちりシナリオ通りに描く、硬い漫画になっちゃう。…ってーか、この段階で「冨田ようすけ」を理解することを打っちゃって自分のよーすけをやる事を想定していたって事か…そう思うと最初から結構勝手なことしてたのだな〜。ま、てなわけで、そして担当Mの「指導」もあって、ももこったら年中ようすけにドキドキしまくり。

試合が終わったグラウンドで特訓するかなあ…校庭でやる練習試合じゃないんだからなあ…ミーティングじゃないのかなあ…でもそうするとボールが飛んでこないなあ…それにしてもこのボール誰が蹴ったのかなあ…  美形を見た女の子の反応を入れてくださいとMにいわれた。ようすけ登場の場面もそう(ありゃ美形じゃないが)。その通りだが気が付かなかった。も一つ言うとチットモ美形に描けてない(笑)

…これ公園のトイレ。

リモーネ様初登場はプリュイより何ぼかカッコイイ。…が…

イッチャン苦手な人。この頃、二人ともまだ剣がなかったので(初期デザイン画にはあったがシナリオにはなかった)ワケのわからないワザで戦っていた(具体的に書いてなかったのかな?覚えてないっす)。そしたら次の時はシナリオにエネルギーの剣とか何とか描かれていた。で、スターウォーズのライトサーベルみたようなのをイメージした私。

ちゃんと口上も言ってんです。ページがないというのに。でもこのときは「ごきげんななめ」の決め台詞は出来てなかったんです。これまた「ピーチ全編集者会議」みたいなところで決まったような気がします。するならするで連載前に準備しとこうよ、って感じですが。でも「お仕置き」はされたらヤだけど、「ごきげんななめ」は「それがどーした」って気になるよなあ…。(アニメでもネタにしてたよね〜)
コンパクト
わけも分からずコンパクト、ってことなので適当に描いたら、あまりにひどすぎたのでTENYUから追加でデザイン画がやってきて、途中から変更。コミックスでは描きなおした。アニメでは、またさらに変わったけど(金型の都合ではないかと思う)、もう付き合わなかった(笑) 楕円形のコンパクトを見てまーるいのしか知らなかった私はばビックラこいたのだ。

セントカメラ
これにいたっては「聖カメラでストロボをたくのです」って女神さまの台詞があって「ピーチ、カメラのようなものを構えて…」とかシナリオにあったら、本当に「カメラのようなもの」を描いちまったのだ。渡したその場でMが「いくらなんでもこりゃだめだよ!」…そりゃそうなのだ、その通りだ。結局これもTENYUからデザインをもらったような…気がする(自分でやったんじゃないと思うんだけど…)。だから「リアルカメラ」は雑誌には載らなかったが、その後もう一度デザインの変更があって、これまた単行本になるときに直したのだ。
これって要するにカメラのおもちゃを出そうってことだったんだが…

あのね、少女漫画初心者なだけじゃなくて、「魔法少女モノ」無知者だったのだよ。「ミンキーモモ」からして名前しか知らないし。最後に観た魔法少女アニメは「魔女っ子メグちゃん」だったのだ(知ってる人いる?) グッズ戦略がアニメに本気導入される前だ。「カワイイグッズを」な〜んて全く頭になし。…まあさ、「ぴょんぴょん」で「中華魔女シリーズ」のコミカライゼーションはやったけどさ、別に製作者サイドの視点で見たわけでもファンの視点で見たわけでもないから、そういうとこマジで気が付かなかったわけ。「メンドクサイバトンヤダナー」くらいのもんよ()

勿論セラムンが人気なのは知ってたけど、観たことなかったし。本当にそういうの興味ない人なんでした。ああ、なんでピーチが回ってきたのか…世の中って不思議ね。それに引き換え真未ピはそういうの大好きっ子だったので、良く頼ってました…はあ。

関係ないけど、この回と次の回カラー表紙で、1回目に渡したカラーがあんまりひどくて「エアブラシとか使ってよ」といわれ、エアブラシ買ったのだった。これ以降カラー表紙のバックはブラシとレースのオンパレード() でもって、在庫が無かったからか、この「勘弁してよ」イラストが下敷きになってアニメメイトで売ってた。…こいういのね、こっちに「承諾」求めないのよ。そんなもんなのさ、漫画家の位置づけなんて…。

第二章

はや掲載に追いつかれそうな気配が漂い始めていて、ネーム持参して、渋谷の飲み屋で富田さんと担当編集者Mと私の三人でテレテレ終電まで打ち合わせしたのを覚えてる(ほんとの仕事はちょっこり、後はダベリ)。あ、そうだ!今思い出した、この日3人でセラムンの映画観たんだ。その後飲み屋に行ったんだ!飲み屋に入って「一寸仕事する気あります〜?」っていってネーム出したんだっけ。そっか〜だからネームの打ち合わせなのに富田さんがいたんだ!いや〜覚えてるもんだ(笑) Mは熱い男でね、マンガ論なんか語ったね。


天使に羽をつけていいやら悩みましたよ。大体この世界、ヤタラ設定を重ねるくせに肝心のところが良く分からん、というかマージンありすぎ。聖天使ってなんなんだ?今読むと、このころって聖サムシング・フォーを破壊するんじゃなくて悪の息吹を吹き込もうとしてたのだね〜。忘れてたよ(笑)



「愛天使がよみがえった」っていうから、いっぺんどっかで死ぬか眠りにつくかしてたんだと思ったけど、そういうワケでもなかったらしい。(あいつら死んだ時はフツーの天使だったわけだしね)

それにしてももう既にここでリモーネ髪の毛多すぎる。全体通して髪のボリュームがありすぎるんだよなー誰も彼も。今はこんな阿呆なことはしない自信あんですが。



この頃まだアシさんがいなくて、大学時代からの友達の未那(はい、「真空地帯」のレイアウトをしてくれている人です。発行元「会
-party-」は私じゃなくて彼女が立ち上げたものです。彼女がいなかったら「真空地帯」なかったです、多分)に手伝ってもらってた。彼女は当時プロのアシさん。で、ももこの部屋「テキトーにカワイイ部屋よろしく」 デザイン一切丸投げ。ああ、楽…!!(次ページのリモーネは情けない顔してるね…^^;) 未那はサッカーフリークでもあったので、そちらの面でもお世話になった。

ももこのお家は新聞の折り込み広告から拝借。ナニの定番ではあるが、ハッキリいってパンかじりながら走るのはかなり難しいだろう。

…そしてももこが朝飯を食べるまもなく飛び出すほど遅刻しそうな時間なのに誰かを待つ余裕のある二人…遅刻すれすれに走ってやってくる学園のアイドルにしてサッカー部のキャプテン…。いいのかこれで? 

でも、ここのようすけとももこのやり取りは上手く出来たと思うのだよ。
(「キャプテンに変なもん食わしたら…」はゴメンナサイ)

英語訳で「ほーお」が
”How impressive” になってたのも好きだ。なかなかいいと思うのだ。この頃ゆりちゃんはまだ設定どおり耳の前で髪をを結わえてましたが(設定ではみつあみだったが)、自然消滅しました。 …ようすけのバッグ変だよね〜(-_-;) これで通しちゃったもんな…

やさしそーな目
これ!これが出来ない私でした。そーゆーとこ気が付かないんだよねー。渋谷の飲み屋で指摘されました。ももこを気遣うよーすけクンとももこちゃんの反応。このコマ最初はなかったのだ。二人のケンカのシーンは注文付けられたこと無かったが()。上段の「少女漫画的描写」も非常にぎこちないっす。


見つめあい
このページ上下に何も入っていない状態で渡したら、「もう少しなんかしてください、入稿まで時間ありますから。オフセットだからブラシも使えるし」と返された。ははは…。で、買ったばかりのエアーブラシ使ってみました。

照れるシーンには迷いがない()

この教室の天井は果てしなく高いのだ。超魚眼レンズを使ったのです() いや、魔空間か。

なんで前回コンパクトがももこの手元に残らなかったんだろうね。証拠をゆりたちに見せちゃまずいから?ゆり・ひなぎくも変身二回目にして始めてアイテムを獲得(?) したわけだけどね〜


「この指輪は聖S4ではない…?」ってプリュイの台詞はねー思い切り後付けの理由だけどねーまだ変身前の指輪だったからさー(笑) シナリオ通りでもアニメと違ってコンビニの玩具じゃないのだ(未就学児童が限界ではないでしょうか、コンビニのおもちゃで騙される敵の幹部って…)
シナリオにあったから描いたのに富田さんは私が勝手に作ったんだとずーっと思っていたってのを後で当人から聞いた…。ビジュアライズし難くてギャグに逃げたのに。カットすりゃよかった。ドレスの中どうなってるのか分かんなかったから描き難かったのに。それにしても隣のページは可愛くない。

この先スピード線とかモロ少年漫画でしょ() 私にさせるとこうなるんだって。

邪渦(ジャウズだかジャカだか)はレインデビラも出すけど、プリュイと同じものなんだろうか…

このシーン、インドネシアかどこかで修正が入りました。胸カットです() 修正画像のFaxが「ちゃお編」から送られてきましたが、本が実際に出たかどうかは不明…多分出ていないと踏んでいる。「胸に花が浮かんで…」って、こういう所は忠実にやってたね。

早々連載二回目にして既に本命決定なのは誰の眼にも明らかだったろうと思う…まだももこが柳葉に行く可能性があると思ってた人いますかね?

第三章

ワケも分からず変身したとしても堂々と口上を述べて必殺技も使っていいのだ、ということくらいは無知な私も知っていた。

このお方、富田さんは「貴婦人」をイメージしていたようなのだが私とMは「女王様」だと受けとってしまった。

それにしてもヘンシーンでウェディングドレスで愛天使って読者は「??」にならなかったんだろうか。普通のウェディングドレスに変わっただけでもでも変身なのかなあ。

ここの台詞、富田さんに
Faxした下書きに書き入れられて送り返されてきたよーな記憶が。どうしても入れたかったのね。確かこの辺描いている時期にやっと呪文その他が決定したんだったような…。この時期表記に揺らぎがあったのか、リリイの台詞が「プレシアンス」になってる。(本来はプレシアス)もうペン入れ後だったか何かなんだろう、表情が「変身チャーム」を言っている顔じゃない。 マンガじゃ殆ど使わなかったけどね〜。二段変身なんかしてる余裕ないっす。

ここですね、「胸に花が浮かぶ」これシナリオに忠実。アニメでそうしなかったのは諸般の事情があったのか、あるいはやってみたら別に絵的に面白くなかったからなのかは不明。

ははは、この花屋はモロなヤツが近所にあるのだ。今でもある。基本殆どの背景は自分で描きましたが(指示するより早いし)コスチューム以外の花はアシさんにお願いすることが多かったです、はい。

アニメでもこのシーン(というか、元になったシーン)あったけど、やっぱ尺だの週だのの事情で変身してから大分後になってたよねー。それまで疑問に思わなかったことを急に疑問に思うなら、無理やり入れなくても知らん顔しちゃっていいのになーとか思った私でしたが…

「大福をぱくつくももこ」ってシナリオにちゃんと指定してあった、確か。ひな子の部屋は自分でやりました。ってか、ピーチ会議から「こんなイメージ」って雑誌の切り抜きなんかを参考用に何枚かもらった気がする。ももこの部屋よりは何となく掴める。


設定説明っぽくならないように、そして簡潔に設定説明するというのは骨が折れるものです。この三人はアニメ的(?)に性格がハッキリしてるからやりやすかったかも。ここはねーシナリオで「ボク」だったのねーどうしようか迷ったんだけどねーMは何も言わなかったな。
シリアスな場面ではことごとく(というか遠慮なく)カットしてたので、他にもいろいろまあ、遠慮しながらも勝手してたので、使える時は出来るだけ「きゃだあ」を使うようにしてました。シナリオに無くても入れられるところには入れるように心がけていました、はい(笑)

お子様に似顔絵を描いていただけるように、簡単で面白い顔をなるべく入れるようにしてました。的に当てるとおんなじ絵の葉書が山のように来ます。しかしツボは最後まで不明()

シナリオに「ボク」とあって、ひなこは「おれ」だろう?としばし悩んだけれど、ストーリー上というか、心情的にはどっちでもいいので、忠実に「ボク」。でももう少し後だったら、容赦なく「おれ」になってたかも…
ももこの嵐の回想の初出。やたらめったら、しょっちゅうようすけを思い出すので(そりゃこっちがそうさせてんですけども)笑えてしまうほど。おまけに回想するべきシーンが底をついたりしたもんだ(笑) 後二人ともベタ髪だから処理に困る。

ももこはオバカだし、よーすけに浸ってるんだから横断歩道で立ち止まってもいいけど、そこに突っ込んでいくとは、ももこにぶつかりたかったからだとしか思えないようすけ。ま、それでもいいけどさ、曲がり角とかにしときゃよかったよ。別に問題なかったろうに…。横断歩道を周囲ってーか、前も見ないで突進してくって、危ないのはお前だろ、ようすけ? …描いといてなんですが。

シナリオだと特にコレといった理由もなく最初から「ももピー」だったと思うんだけど、アニメもそうだけど、私はそれが嫌で…何の理由も前ふりもなく「ももピー」? そもそも風摩ようすけって女の子をピー付けで呼ぶようなヤツなのか?
(谷沢の「ようすけ」だからな。ここで、富田さんの方にすり合わせしようとは思わなかったって事なんだろうなぁ…)。さりとて「ももピー」は絶対。これは作画担当者がトヤカクいえることではないし、富田さんは気に入っている。…で、シナリオ何度も読んで、頭絞って考えたのがこのシークェンス。ももこが「くだもののピーチのももこ」っていったから、たまたま「ももピー」で、一度呼んだらムキになって怒ったから…気になってる可愛い子に、こんな反応されたら呼び続けずにはいられないぞ、ってな事で。ってなわけで、ようすけの「ももこ」と「ももピー」の使い分けも自然に出来るようになったのでした。ああよかった。それに結果として、「ももピー」か「ももこ」かでその時のようすけの気持ちも表現できたわけだから、後から考えると便利な愛称だった。

そうそう、富田さんの名誉のため(?)に断っとかなきゃならないが、この「ももピー」読者にうけたんである。「友達と呼び合ってます」とか「好きな男の子に○○ピーって呼ばれたいです」ってな手紙をかなり貰ったのだ。ふふふ…女の子の気持ちでおじさんに負けたよ。負けたといえばウェディングドレスもそう。「戦う花嫁さん」のコンセプトを知った時はひっくり返るかと思ったが、結果「女の子はウェディングドレスが好き」ってことがわかっただけだった。うーん…。

で、私の方は半ば焼け気味にこの時期ピーチ関係者誰彼勝手に「ピー」をつけてた(たちばな真未との間だけの話だが)。真未ピーに直ピーに富ピーにWピー…() まみぴ・なおぴは未だに続いてるね。(「サル子」「レインデビ子」なんかも似たようなことだな())

まあ、当然だけど、ようすけの言葉遣いはアニメが本当。ってーか大体全部アニメが本当なんだが。でもシナリオの柳葉君は「ももこくん」じゃなかったなあ。(そもそも呼びかけることが無かったか…?いるんだかいないんだか、本当に分からん男だった^^;) 超初期から口調は勝手やってた。特にようすけ。


現在のパパ初登場。「結婚式のビデオと違って口ひげなど蓄えてワイルドな感じである」って書いてあったので。あのパパイメージじゃなかったんだなー。口ひげって描き難かったっす、富田さん。非常にぎこちない。コレもまたイメージじゃなかったのか、アニメでは口ひげ無かったね。

…結婚式場の撮影でそんなにレンズが必要なんでしょうか…こんな箱でいーんでしょうか…知らないんですが。

アシに来てもらっていた未那姉さんによるとようすけのリフティングはかなり高度なものなのだそうです。も一つ言うとキーパーはあまりこの手の練習はしないとか…そりゃそうね。「ようすけくんももこちゃんに、かっこいいとこ見せる」の図です。またしても、ももちゃん一寸ドキドキ。でっかく描かれている柳葉を見ておりません() にしても、中学のサッカー部の後輩ってな…大分前に卒業してんだろうに。OBとしてコーチとかやってたんだな、きっと。しかし飲食の場でこういうのいいのかなあ…?


新藤進君みたいなゲストキャラは私が動かすキャラじゃないから何でも言わせられるのだ。

ここから「お邪魔」から「邪魔ピー」に昇格(変更)。だったら前の台詞も直して「邪魔ピー」で統一しろって話もあるが「お邪魔族」の「邪魔ピー」なのだって。でも、ももこには「邪魔ピー」として紹介されて無いじゃーん?」…ねぇ…。(当初は邪魔ピー族のお邪魔だった。でないと後々の○○魔に繋がらないんだが、邪魔ピーの方が可愛いからってこうなった。どのみちマンガには○○魔ってのは出てこない…コレは偶然だが) でもさ、「お邪魔族だ」ってハッキリかかれてなかった…ていうか、海外に出される時そういう説明は無いから、英語での初登場は「Ojyama」で、その後出てくる「お邪魔族」には「Little Demon」とかただ「Demon」とかって当てられてる。

も少し後だと、こんな状況だと「ももこ」になるのだろうが、この回は「ももピー」。なんせ呼び始めたばっかだから、連呼しとかないと次回の「ももピーって言ってよぉ!」の台詞に繋がらないのだよ。な〜んでようすけはももこのところに飛んできたのか分からんが、多分ミミコの真正面で黒い霧の直撃を食らったんだろう。

第四章

怒涛の回想にネタがないからももこが関わらないようすけのカット。前回やったばっかだもん、あるわけない。特に「ももピー」以降。

ここは「ももこって言って」じゃなくて「ももぴー」でしょう、やっぱ。呼び始めてからせいぜい数時間というのが苦しいところだが、読者的には一月あるので() 抱っこした時点で生きてるか死んでるかくらい分かれ、とも思うが、ももこはオバカだからしょーがないんだろう。すべて「ももこはオバカだから」で乗り切ってしまう()

ちなみにシナリオでは「ももこがようすけ以外の人の安否を全く気にしないことの説明として、他の人たちは動いている、などの様子を入れても…」みたいなことがあったが、…動いていても気にしないのも変だしねえ…余裕もないし(だからアニメはああなったのかもねー) 正直ネチネチやりすぎだと思ったが、やるからにはいったれ〜!的な() ももこには、ようすけっきゃ見えてないんです。もうこの時点で。それにしても初回に比べてリボンがアホのように巨大化している。何やってたんだか…。


前回のポンポン(黒い霧の描き方)がバッチかったので「画面が暗くなるから他のにしてください」と富田さんからクレームが入ったので点描トーン。

式場なので和装も出そうよ、とMがいったのだ。でもチョビットだけ。

結婚式場ってそんなに沢山のカップルが一度に披露宴しているものだったのですね…。

この回から両脇段フリルのピーチ登場。ももこ/ピーチはリボンだけでなく髪もどんどん太ってくる。それでなくても重いのに…ホント、何考えてたんでしょう、ワタシ…

この口上、長いし、ストーリーの展開とは何のかかわりも無いから、私としては省きたかったんだけどMは「ここまでやらなきゃ」と主張した。多数決で負け() ま、基本的に富田さんと私で意見が合わないときは担当Mの裁量で決まる。ことほどさように、担当記者の権力は絶大なのである() 「ごきげんななめ」初登場(ってーか、「ちゃお」では最初で最後)


「ラブリーピーチタンピート」 手でハートの形を作って…までシナリオでちゃんと指定してあった記憶が…。おもちゃが絡んでいないのでオペラシオンなしです(笑)アニメよりも更にぜんぜん意味の無い技だった。邪魔ピーさえはじき出せない。


せめて軒先で雨宿りくらいさせてあげるべきでした。はい。気が付きませんでした。

 ここで、ももこが「守りたいもの」の具体的な形を提示しようとMと話し合ったのだった。ただ悪魔から愛を守るという抽象的なことではなくて、ハッキリとした動機付けというかさー…。まあ、とって付けたような動機だが、結局は…。

ピーチ、キュービッドの像(だか何だか細かいことは忘れた)に叩きつけられる」ってシナリオにあったんだ。しかしこれ、少女漫画としてはいくらなんでも派手すぎだった。

ここでようやく必殺技の「正式なお作法」が決定。編集部に行ってあーだこーだやった記憶がある。三人の愛天使の達ポーズとか、統一しましょう、なんてさ(今更かよ〜) だいたいさ〜、だから、魔法少女モノは知らないからさ〜、それに渡されたデザインはカメラでさー、シャッターまでついてんだから、そこ押すと思うじゃんさー?でもそんなのはマジカルガールたるものが取る行動ではないわけで、結果こうなった。ま、そこんとこの無理さがあからさまだったんで、アニメはアレになったんだと思うね。そもそも他の二人は変身アイテム=必殺技アイテムなんだからね。

この辺りでピーチ「きゃだ」初登場だった気がする。…使えなかった。緊迫した場面では。

ここのジャンルのアニメでは常識だったんだろうけど「主人公オリジナルの特殊な言葉遣い(キャダは以前某CDドラマで一度使用済みとの話を他から聞いたが)」っていうんだろうか、それもまた私にとっては全く未知の世界だったのね…。「ゆりのお嬢ことば」だって「あうう」な感じだったのだ^^; ストーリー展開も多分そういう、その手のアニメの常識にキッチリ沿ってたんだろうけれど…私にとっては「どっぴょ〜ん」の連続。そう、WPってば実に「未知との遭遇」に満ち溢れてた。(で、変えたその結果も「未知の領域」な少女漫画なんだもんな。…まあ、ある程度は少女漫画)
結婚式関連ってことで設定した三人の親の仕事だったが、ここだけしか使わなかった。マンガって「ここだけしか使わなかった」が結構多い…



巨大邪魔ピー

これね、発想の元ネタはアニメ「デビルマン」のラフレーヌなのだよ(爆) 私のメンタリティってその辺よ。 それにしても邪魔ピーはしつこい

第一巻ですでにKSSがアニメ製作するって、それだけは決まってたので(笑)

第五章


担当編集者Nと私は別に何とも思わなかったんだけど、小4のピーチ通の編集者Wと真未ピと富田さんはびっくらこいたらしい。「やりすぎ」だと。(笑) デビルマンだもんね〜。ほら、この後で邪魔ピーを仲間に迎えるってことが決まってたから、その前に目いっぱい愛天使を痛めつけておかなくてはイケナイ、ということで。だからこそ、その後のデイジーの憤りに説得力が…ないかな?

武道の心得のあるデイジーはともかくリリィまで受身を取ってるつもりな絵()
ママの形見の指輪の形が変わりました。というのも、連載始まった「次の月」くらいにTENYUから指輪のデザイン画がもたらされたからなのです。既にテキトーに描いたフツーの指輪を出しちゃってますから、今更替えられません。てなわけで、指輪も変身することになったんでした。でもってこの剣も、その時に渡されて「使え」といわれたもの。一回こっきりきゃつかってない。大体女玩(女子玩具)で剣モノはダメって話…。でもって富田さんは「切らないで、振り回すことでパワーが出る」ってことにした。剣の必要ないじゃん。バトンだ。

ま、指輪のデザインは、コスチュームやコンパクトを力ワザで変えたように、シャラッと変える事も出来たんだけど、なにせオモチャのためのデザインだから、アレを彼女に送る男って…?になるじゃん、ちゃおの主要読者は未就学児童ではないわけで…。だから突っ走っちゃった。でも、これが怪我の功名(?)で後々の聖サムシングフォーの処理が楽になったのでした。



ひなぎくは男っぽいけど情に弱くて涙もろい設定だから、泣く時はボロボロ泣く。しかしひな子のお父さんはお得意なくしたりしなかったんだろうか…?


ここはNに「いいよ!(モノローグが)」といわれたので良く覚えているのだ。絵はそうじゃないけど、ちょっと少女漫画な感じ()…しかし本当にリボンがでかい。最初設定を見たとき「リボンでかいな〜」と思った谷沢はどこに行ってしまったのだろう…。


一巻も終わらぬこの段階でそろそろ何かと勝手し始めていたから、罪の意識もあって出来るだけ、使えるときは「きゃだ」を使うようにしていた私。ま、こういう場面でなら、なんとか…

しょーじょまんがです。「悪魔に襲われたトキかばってもらったから」のひとことで「もしかして、おれやみんなを助けてくれたのは…」に繋がるのがイマイチ納得できなかったですけど、ももこがようすけにドキドキできるなら何でもありだなと()

この後も、ももこはひたすら事あるごとにようすけにドキドキし続けるのだ() それでなくても少ない乙女チックな効果の種が尽きてしまう^^;

あのねーずっとカットしてたけど、「愛天使の正体を突き止める」ってコンセプトがずーっとあってねー、そっくしになっちゃうし、余計なページ喰うのでヤだったのねー、だからここでプリュイにさくっと正体ばらしちゃったのだよねー(勝手に)。ま、基本NOK出せば雑誌には載るわけで。

どーしてもとっつかれる前に、よーすけにかっこいい場面を付けてやりたかったんですぅ…庇ってやられるより、も少しアクティヴというか…()

しかしせっかくカバンだめにしたんだから(ももこを庇った時千切れた)次回から新しいちゃんとしたバッグにすりゃよかったのになあ…。
番外編

ピーチ開始当初、というか連載前に、「学年誌掲載分も出来るだけ拾っていこう」ってことで、こういう形で収録…っても、担当が替わったこともあって2巻まで、2話のみで終わったが。よーするにつまり学年誌分をまとめて収録、って形は問題外なのね、と私は思ったのだった() 本音言うなら学年誌いらないから本誌にその分ページくれだったがなあ
後にこの学年誌掲載コミックス未収録作品がドイツで出版されることになろうとはね〜。Wedding Peach vol.7で出したから、一部の読者は本編の続編だと思って買って「金返せ!」と憤慨したとかしないとか。

これが6月号、つまり5月発売なのだが、この後くらいに4年のWが気が付くまで我々は3年生もちゃおも、「風魔ようすけ」と堂々と表記していたのだ。(もっといえば――アニメ茶話にあるが――本当は「ふうま」じゃなくて「かざま」だったのだ) そしてクレームは富田さんからではなくピーチ通の真未ピとWから入ったのだった。だから体操服のタグ、コミックスになる時修正したのだ。

この「お邪魔族」はTENYUのデザイン、設定。なにやら色々作って、学年誌で特集組んで解説したりしていた。でもアニメに採用されたデザインは殆どなかったような気がする。名前は結構使ってたけどね、おまん魔とかパジャ魔とか。
アニメ製作会社は確か5月頃にはKSSで決まっていて、しかしとにかく玩具スポンサーがつかなかった。そのプレゼン用にグッズやキャラのデザインをTENYUが出していたのかもしらない(その辺具体的な事情は知りませんが)

このあたりはキッパリ割り切って描いてました。アニメのコミカライズみたいな感じで。今見ると「お邪魔族」のくせに「○○ピー」といっているが、これは設定統一ができていなかった揺らぎなのか単なる間違いなのか、そういう事で行きましょうと決めたのか記憶に無い(笑)