イントロ 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 番外編

イントロ

さて、この巻が出るとき、アニメ化は決まっていました。確か帯に「アニメ化決定」みたいなのがつきました。…が、表紙画像入稿の段階では「アニメ化決定」以外は何一つ決定していませんでした。で、表紙。コスチュームが変わるらしい、というのは聞いていた。でも、どう変わるかは未定。アニメ化〜って帯つけるのに、帯と表紙キャラの服装が違っても困るだろう?(まあ、タッチからして別人なんだからそんなの構わんといやあそうなのだが) で、しょーがないから変身途中っぽい絵にしてみた。でもね、そんな事気にしてるの私だけだったんだよね、新担当のTはその辺全く気にかけない男だったから…


第一章

しょっぱなから怒涛の回想。もーさ、抱っこされて保健室に運ばれるとこ何回描いたかなぁ…。それにしてもこのカバン…
絵が下手なのはしょーがないとして、ああ、これだけは…ひどすぎだ。はぁ。


このカオ好きだな(じゃ魔ピー)^^;


あんまり「許さない」を連呼してほしくなかったなぁ…。プリュイだってピーチに許されたいなんて思ってるわけ無く、無意味な言葉。ドロボーに「待て」ってのと同じ決まり文句なんで、連呼されるとね()

特に後々のことを意識して描いたわけじゃなかったんですけど、ひなぎくと邪魔ピーの関係はここでキッチリ成立したんだと思う。その後の反応が実に自然に出てきた。邪魔ピーに何かするのは必ずひなぎくの役目。
なんで「お話する時がきた」のかさっぱりわからん。初めましての時に説明して何の不都合があろうか。でも設定説明だから、そのまま入れるしかない(「お話」じゃなくて、エピソードの進行に絡めて出したいんだけどねえ…)。その鬱憤(?)がピーチの世界観を全く無視したレインデビ子のカットに…?(笑) 確かね、三者打ち合わせで、いい加減聖S4ってのは何か、そろそろ説明した方がいいでしょう、ってな話になって、その結果がこれだったと思うんだよね…。後付けで理屈こねるとすれば、リモーネはこの頃ピーチを助け柳葉君をやりながら、スカーレットを探していた…みたいなことになるのかね?
そしてマンガでも気絶と記憶喪失の受難の始まり。…いや、ミミコの結婚式からか…。

もちろん、「ドキドキももこ」なんですが、記憶喪失に対する私のささやか(?)な反抗ということで…()
これって「ようすけも先輩のこと好きだったの〜」ってことだよね、とNにいわれた。え…ええ、「女だったら…」ね。


何度もプリュイを追っ払ってきているから、「プリュイ様がくる」くらいでももこたちは慌てないだろう、とNの主張。
で、何だか分からない新アイテムが出た
(でも次巻でプリュイはアイテムなして愛天使をズタボロにするのだが^^; その時の担当はNではない)

第二章

前回に引き続き何だか分からない技のオンパレード。別に心情に関わることじゃないからこーゆーのはシナリオ通りです。でもオモキシ少年漫画の世界だよね〜() 腕輪と剣は適当。で…これも少女漫画ってーかピーチの世界観じゃない気もしますが、誰も文句言わなかった。



ピーチちゃんのコスチュームだとどう転んでもネックレスのチェーンは丸見えなんだけど、ま、気にしないで。



何を隠そう(ミエミエか)、この頃は「アニメ化絶望感」が強まりつつあり、ピーチは3月で終了で、だからようすけがヴィエントであって悪魔族であるということが明かされるはずだったのだよ。だからようすけは「覚えている」し、後のページで出てくる彼のバックのレインデビラはようすけの正体に気がついたって意味だったんだね〜。




ももこに対しては素直なイイコ以外の面しかない邪魔ピーだけど、生意気なトコ出したかったのね、ひなこはとてもいいお相手だった。ある意味ももことの関係よりも深みがあったんじゃなかろうか。
どうして今まで「死んだ」といっていたのか、どうして本当のことを話す気になったのか、それが何で「今」なのか、理由が必要だろう…で、考えた(-_-;) 「捨てたんじゃない」てのを後々大きく扱おうとは思わなかったが。それにしてもママの服は悲惨だ…

優しくされると却って涙が出てしまうのは年中泣いてるももこでなくてもそうだと思うももこの涙へのようすけの反応ってコロコロコミックのノリ。少女漫画じゃないよね…。ちなみにこの後の「もういろいろありすぎて…」の台詞は最初は涙を流す前だったのだが、これもNに指摘されてこの形に。…確かにこの方が自然なんだよな…

未だにハッキリ覚えています。シナリオでは懐中電灯でももこの窓を照らしました。まあ、どっちにしろストーカーです。どうやってももこの家を、そして部屋を知ったのでしょうか…?同じクラスでもないのに。後でも付けたのか…よほど好きだったに違いない。
ここでも女心の分からない私は「好きな男の子に誘われて、身だしなみもせず、部屋着のまま出て行く女の子はいないでしょう?」とMに指摘されました。うう…その通りです。でも全く思い至らなかったのです。そこで一コマ追加。
このシークェンスは、とにかく結果ようすけがレインデビ子に攫われればそれでよい、というものだったので後は自由にやった。(やっちまった) ッてーか、夜遅く、付き合ってもいない、それどころか今まで一度も訪ねていった事のない女の子の家にやってくるってのの理由付けどーしよーってね…
() 明日学校でいいじゃん?

ここはね、良く覚えてるんだけども、編集部で打ち合わせてて、「わあっ」て泣き声を入れるか、無音のままで行くか、二人して悩んで、他のマンガを引っ張り出してきて他の人はどんな処理してるかアレコレ調べたのだ。Nはかなりこういうことにはマジで熱いヤツだった。少なくとも私が知ってる編集者では一番熱心だったね〜(そんなに大勢は知らないが)。まあ、結局は元のまま無音にしたんだけど。

この後の抱き合うシーンで「子どもがこんなことしちゃだめだと思う」ってのと「なぜキスしなかったのか」ってファンレターが来た。まあ、圧倒的に「キスしたらよかったのに」が多かったけど、「抱き合っちゃダメ」ってのがあったのは意外でした…だってそういうマンガじゃんさ。
キスといえば、Mからはホント色々学ばせてもらいましたけどね、「キス」にこだわるのは一寸閉口。彼の担当時代何回か二人をキスさせようという試みはあったのだが…説得力のあるシチュエーションはできなくて、原案どまりでシナリオまで至らなかった。はじめにキスありきってのはどうよ?…まあ、最終的にはしたわけですけど、ほら、この手のマンガってその辺がゴールだったりしないかい?


さて、この後ようすけが攫われていくときバンダナを落としていって(このバンダナも何がどうなってどこをどう折って縛ってるんだか意味不明。服から始まり、布系のことを何も分からない谷沢)、それが何気にキーになるわけだけど、コミックス化の時、そのバンダナを落とすページを新担当Tが勝手にカットして、出来てきたのを見てボーゼン。「ページ重なるから」…なら、調整するし。内容を読めばバンダナ落としてないと辻褄が会わないの分かるでしょ?…あ、読んでねーか、どうせ。でもカットするなら一言断れよなー。…ってことで、それ以降、本来編集者の仕事であるコミックス製作時の台割(どのページに何をどう配置するかという表作り)も全部自分ですることになる。もちろんギャラなんぞ出ない。…ったく。ちなみにこのTは今はもう小学館にいないのだと、ちょいと前に彼の昔の上司に聞いた。

第三章

ちっちゃく前科を積み重ねて、この辺りからポイントさえ押さえときゃいーじゃん、的になってきたと思う。こっち(ちゃおサイド)なりの「世界観」も出来てきたというか…

よーすけを探して朝まで公園をふらふらするももこ。って、レインデビラに攫われたの分かってんだから、アニメのようにすぐに二人に連絡するのが当然だと思うが…Mいわくあまりのことに呆然としてたからなんだそうだ。うーんまあ…でも危ないなあ、夜中の公園一人でふらふら。
ちなみにこの後、ひな子から布団を引っぺがす母ちゃんの手というか、布団が変。どうしてこういう間違いすんでしょーね。

柳葉君がようすけの家に電話してみた云々というのはシナリオ通り。お蔭様でアニメのようすけ一人暮らし設定を無視する大義名分が出来た。シナリオに出てたんだから。「家に電話したら(誰も出なかったんじゃなくて)昨日から帰ってないらしい」ってことは、誰か家にいるってことだよね〜。親父が悪魔族で蒸発中ってのも、もう決まっていたような気がするけど…ももこの反対、ってことで。でも名前とか詳しいことはなかった…筈だ。

「悪魔族のアジト」って使いたくなかったのね、私。だから何か良く分からん言い方になっちゃった…。ちなみにここ、ももこのセリフ「どうしてもようすけを助けたいの」英語版では主語がIではなくてWeになっていて、「私達は彼を助けなくてはならないから…」となっていた。生まれも育ちもアメリカだが日本人の両親(だったと思う)で、一度話したけど綺麗な日本語を話す人だったが、時々主語が混乱するようだ。文化の違いというのは根深い。

アニメと大きく違ってお洒落な建物。「お洒落なペンションみたいなイメージで」と指定されて、葉山とか箱根とかの別荘とかペンションとかの写真あさったんです。こういうの苦手…ピーチ前にアシに行ってた少年誌の作家さんに「これだけ描ければ背景任せられる」といわれた立派な背景(笑) アシ時代は仕上げやってた。それにしてもテレポートまで出来る邪魔ピーは万能選手だ。

この時点でももこはようすけと別れる(距離を置く)決心をしたらしいのだが、あまりに好きすぎてウヤムヤになった(だって終わるはずだったんだから。つまり万事解決するはずだったのだ。どんな風に解決するのかは決めていなかったが。少なくとも私は知らなかった)。

少女漫画じゃない…これはね、石ノ森章太郎先生の「リュウの道」からだ。発想はそこから。これはシナリオをそれほど逸脱してなかったと思うけど、シナリオはこんなエグくなかった筈。でもアニメもかなり行っちゃってたよね、この「木」。
これを見て面白がったまみぴからFax4コマが入ってきて…ここから「がんばれももピー」シリーズが始まるんである。
チャーム・パーソンってあんまりおっかなく聞こえない気がするのは私だけですか?アクミリオがよかったな〜

第四章

この辺りから担当がMからTに替わります。Mは移動になりまして(「アニメ企画ピーチに関わってるから今年は動かないと思うけど…」といってたが即動かされた。サラリーマンだ)、Tは「むかむかパラダイス」とかやってた絡みでアニメ繋がりというか…この人には「ぴょんぴょん」時代に何度か絶句させられてたんで、おーい…な感じだったんだけどねえ。ただね、彼そのかわり「気にしない」のだ。ってーか「知らない」から文句言ってこない。で、お蔭様で(?)かろうじてついてたMの常識的な手綱が外れた、みたい…なわけで、そろそろ暴走の兆しが() おまけに(?)「谷沢でいいじゃん」って、そもそも最初の会議で提案したのはTだったらしい(T談)


「やっぱりようすけがいるのね!?」…この台詞、アニメか映画かドラマか…とにかくどこかで聞いた覚えがあるのですが、ぴたっとハマるので、そのまま使ったのですが、未だに何のアニメだったか思い出せず。(白黒の009「悲劇の獣人」だったかなあ…?)大概出典覚えてんだけどなー。一こまめ、デイジーの「なんだとぉ!?」を「クソ、おれは金がねえぜ!」(だから買えない)にしてコミックスのCMに使ったのには笑った。これは外のプロダクションに出してたんで、Tの仕事じゃないのだ(笑)


この辺Tのノリ。フツーというか、古典的少年漫画だよね、ピーチ描いてる谷沢にこういうヤツつけて大丈夫か、と思ったらやっぱりだったジャーン、って展開になっていくのだ。まあ、デイジーはこんな感じが順当かなって思うけども…。Tはどっちかってーと少年漫画(で、古め)のノリだったと思う。リリィはチームの頭脳にして指揮官という設定だったから、ちょっとそれらしいことさせてみました。戦隊ものの基本な感じ(笑)

ノクチューンの過去。脳みそ絞った割にダメでしたね…。元々悪魔でなかった人が悪魔になるお話だとしたら、まあ「辻褄」が合わないでもないけど。でも、それだけで絶望するってのもなあ…弱いと思う。しかしプリュイってかなり偉いんだな(笑)。
彼女をだます悪魔のデザインは只野和子さんがピーチの企画書のために起こした「悪魔族たち」の中からいただいたもの。

で、「あなたとは戦いたくない…」あの可愛い邪魔ピーには平気でブライダルフラッシュ食らわせたくせにこれはないだろう。ねー。だから、この辺私が未消化なうえに担当Tはよく知らないから…これ以降ピーチの攻撃はどうやら相手を殺すか消滅させるか、なんかそんなもんに変化したようだ。殺すか殺されるか…平和なウェディングピーチはおしまい。

第五章


やりたい放題です。リリイとデイジーの技はこんな暴力的なものじゃなかったはずなのです。富田さん目が点になってたんじゃないでしょうか。まあ、なんだ、悪いやつに操られる
(そそのかされるか?)と攻撃も悪魔的になるということで…


リプライナーに至っては剣みたくなってピーチを切っちゃいます。血まで出ちゃいます。でも台詞の展開に関してはこのシークェンスお気に入りです。ノクチューンのときとは違ってちゃんとできたと思うので。ももぴーはゆりとひなぎくには何をしても絶対憎まれないという絶対の信頼があるのです。自分だって憎まないから…その辺押せ押せで。でね、ここはリリィとかじゃなくて「ゆり」「ひなぎく」なのね。だから悪意のときは「ピーチ」で、もどったら「ももこ」。で、戻る前の記憶失くしてないですよ、これもこだわり。操られるというのとは一寸違って…心の隙を刺激するというかさ。ももこにはその隙が無かったってことで。で、ここは二人に、ももこちゃんの想いちゃんと分かって欲しいじゃん?


ひな子は相変わらず浪花節なのでボロボロ泣きます。ここはゆりも泣いてるけど。


「よくもひなぎくを!」この台詞やだったんだよなー。Tは友達が殺されたと思ったら当たり前だといって譲らなかったのだ。商業誌の宿命で、譲るところは譲らないと本に載りません。…でもな〜おかしいと思うよな〜、やられる直前で止むを得なくってんなら分かるけど(それ、前に使っちゃってるからダメなのだよ)


ブライダルフラッシュで結局死んじゃうのね…邪魔ピーは平気だったのに。この辺もーいーやって感じだったっす。「いっちゃえ〜!」みたいな。すいません、辻褄あわせくたびれました。浄化だか何だか知らないけど、とにかく消える。

この時はまだこの流れでヴィエントにするつもりだったのかなあ…?覚えてない。

番外編
当初富田さんの意向としては「制服」ではなくて「標準服」だったそうで、ならまあ、多少バリエーションもたせてみるかと。3年でもこの程度、本編に至ってはシャツのポケットが違うかどうか程度にしかならなかったけど。そういえばひなぎく、けっこう変なタイの結び方させてたらアシさんの一人に制服変わったんですか?」といわれたっけ(笑)

なーんで違うクラスのようすけがここにいるのかというと、
3年生は気にしないだろうからだ()
お邪魔族ありゃ魔とこりゃ魔。これもTENYUのデザイン。


ただ足手まといになるだけのためにクラスの違いを乗り越えて現れた情けないやつ。そしてなぜか怪力のピーチ。これはスーパーヒロイ」ンのすることだろうか、と思ったのだが、まあ特に担当に異を唱える事もしなかった(と思う)。基本的に男と女が逆のマンガだからな〜w
3年では苦しいながらも暫く「ごきげんななめ」がんばってました。これは担当者の意識次第の代物だ。もちろん口上は短めに()
ウェディングソード。本編と同時期だったんだろう、多分。これは富田さんのシナリオがあるわけじゃないので、かっきり切ってます() 「ありゃ魔とこりゃ魔」が合体して地震を起こして云々というのもTENYUが設定したんだったと思う。学年誌…というか、「三年生」はなるべく使っていく方針だった。そうそう、割れたハートが浄化されてくっつくてのもTENYU発だったと思う。

「がんばれももピー」初出。
「ようすけ木に食われる」の図を見てまみぴがFaxしてきた物があんまり面白かったので「使わせて」とおねだりしたのだ。その後も続けたけど、これを超えるものは出なかったね(笑)



結局三巻以降は、台割りも自分ですることになって、でもって余裕がないから学年誌掲載分収録はこの回でおしまい。学年誌のほうも「前の話を受けて」みたいな展開になってきて、使える部分が少なかったし(毎回悪魔が出てきてやっつけて、ってのは厳しかった…)