<Comic-Con in SanDiego>

すいません、画像無しです。写真撮らなかったから…(なんかカット描こうかなと思ったけど挫折)



 16日

出発。飛行機は午後5時55分発なので楽だ。JALでちょっと高いけど、一番時間帯が遅いから選んだのだ。一寸だけ早起きして家を出てかったるく空港へ。

早割りでチケットを買って、通路側を指定したはずなのに「真ん中しかありませんがよろしいですか?」といわれる。ぜんぜんよろしくないので文句を言って通路側を取ってもらう。第一余裕で2時間前にチェックインしているのに何で真ん中しかないんだ?こういうとき言わないとそのままになってしまうのだろうな。帰りの便も「極力通路側」という指定を入れてもらう。ってーか「通路側で申し込んだんです、通路側でないと困るんです」とゴネたのだが。

チェックインは空いていたけど、飛行機は満員だった。アメリカ便だからSarsとかの影響もないのだろうな。空路サンフランシスコへ。そこからユナイテッドに乗り換えてサンディエゴに行くのだ。

…が、サンフランシスコの入国審査で思いっきり待たされる。途中でトイレによってコンタクトを入れていたりした私はその長蛇の列のそのまたビリ。なんかねー、みっちり話してんだよねえ。さすがアメリカは厳しいってことなのかな。順番が回ってきて「入国の目的」を聞かれるも相手の発音聞き取れず(爆) 英語できないじゃん!駄目じゃん…(聞き取れるときも有るんだけどな)

ようやく列を抜けてユナイテッドのチェックインに並んで(たくさんの「クローズ」カウンターを眺めながら辛抱強く並んだ…うーん…あけろよ、並んでるんだから)、厳しいセキュリティーチェックを受けて(全員靴も検査した。さすがだ。) ゲートに行ったらコミコンに行くのだという日本人の女性三人に会った。おお、いるじゃん。(ホントはもっといたんでしょうけどね、「行くんですかー」とかいって話をしたのは三人) 一人は入国審査が長引いて乗り継ぎ便に乗れず、キャンセル待ちをしているとのこと。時間に余裕があってよかった。

そのうちの一人の話によると、「コミコンツアー」というのが3月ごろ企画されていたらしいのだが、Sars騒ぎで問い合わせが殆どなく、お流れになってしまったのだとか。で、しょうがないから個人で参加したとのこと。根性ある人だ。結局手配したのが遅かったからかなりの金額がかかってしまったらしい。

サンディエゴについて、ものごっつい日差しに「おお、メキシコの近くだけある!」とわけわからんことに感動して(でもその日差しはこの日限りだった)、インフォセンターのおばちゃんにホテルへの行きかたを聞いて、シャトルもあるって聞いたのだけども、だけどやっぱ面倒なことになるのは嫌だから(小心者)タクシーでホテルへ。そこで初めて「NOZOMI」完成本を見る。ホテルに宅配されていたのだ。自分たちで会場まで持ってゆくのだとのこと。コミケみたく「会場搬入」はないのだろうか。

さすがアメリカってことなんでしょうかね、表紙若干ずれてたり、噴出しの中の台詞が落ちてたり、ずれてたり(結構たくさん!)してました。が、色目自体はまあ、4色で蛍光ピンクが入っていないことを考えれば上出来かなってとこでした。色はずいぶん気を使ってくれていたらしい。ありがたや。一番時間かかったとこだからなー。



 17日

コミコン初日。初日の上に木曜ということで、さほどの人出にはならず。それどころかブースには余り人が来なくて暇(笑…ごとじゃないんだが) 一応買ってくれた人にはサインをしてあげるということで、「その辺見てきてもいいよ」と言われてはいるのだけど、なんか、あまりにも売れないのでそこに居てまめまめしくサインしなきゃいけないかなーという気になってしまうほどでした。なんかComitiaみたいだったぜ。みんな「Beautiful!」「Good job!」とかは言うのだがその先に進まないのだ。

バンダイブースの中に場所を借りていたんだけど、たまたま何かのイベントの列がスペースのまん前にはまってしまう形になったのもいけなかったようだが、とにかく売れなかった。

午後あたりから、ぼちぼちスケッチを頼まれる。なんでもカラースケッチの場合は金をとるのが普通なのだそうだ。「言い値だから20ドルでも30ドルでも」とスタッフの人には言われたが、どうにも気後れするので「15ドル」にした。それなりに安かったらしい。(でも、値段を聞いて頼むのをやめる人結構いたんだよな)

でもって色塗りにスタッフさんが持ってきていたコピックを借りればいいかな、と思っていたのだが、とにかく塗りにくい。元々コピック使うの下手な上に、向こうが持ってくるのが色紙なのだ。どこで売っているのか知らんが、結構メジャーな存在らしい。(デイバックにごっそりと色紙を入れて歩いているところはコミケやコミティアなんかでお馴染みの光景そのもの!ただ、こっちの人はお金を払うのが当然だと思っているようだけど。) で、コピック。色も足りないし、そんなこんなで結局塗りかけたのを挫折。ドイツでやったように子供用の安い絵の具を買ってきてそれで塗ることにした。ってーことで、その日は頼まれたスケッチ面線だけ入れてゆるゆるして過ごす。

忍者の格好をしたニイちゃんがやってきて「僕は絵がうまくないのだけど、どうしたら上達できるのか、こつを教えてほしい」と粘りまくる。おお、アメリカにも筋金入りのオタクがいた!(っテーか私のオタクのイメージってこういうずーっと喋ってて、何気にちょっと目が行っちゃってる感じなんですね) また明日来るといっていたけど、彼はそれきり来なかった。

この日夕食に入ったレストラン(ってーかバンド入ってて飲ませるとこね。うるさくって話はできなかった)でパスポート提示を求められる。そーゆーのに遭遇したのは初めてだった(笑) 要するに「こいつ未成年か?」と思われたのだね。イギリスやドイツではなかったなー。



 18日

朝10時の開店にあわせてモールに絵の具を買いに行く。…が、例によって迷う(笑)おまけに雨降ってくんでやんの。ここはアメリカ西海岸。どうして雨が???泣きっ面に雨(蜂)。ショッピングモールがまた結構距離あるんだよなー。…結局雨は割りとすぐに上がったけど。通りがかりの人に聞いたら1ブロック違ってた。

でもって、結構でかいショッピングセンターなんだけど案内図を見てもどこに何が売っているのかさっぱり。通りがかりのおっちゃんに聞いて、案内図を見てもらったんだけど、「水彩絵の具」の売っていそうな店はわからず、「お店の人に聞いた方がいいと思うよ」といわれてしまい、コスメ店に入って聞くと「このモールにはアートショップはないから無理だと思うわ」おい…。で、一応もう一軒という事で、書店に入って聞いたら「ドラッグストアーがあるから、そこに行ったらあるかもしれないわ」場所を教えてもらっていってみたら…あった。

ありがたく買って帰ったが物凄く質が悪かった(爆) まあしょうがないよなー、”薬屋”の絵の具だもん。

戻ったら11時。うーん、いい運動したな。でもって早速着色開始。この日から前日あまりにも売れなかったために場所を変えてもらって、「本を買ってくれたらサインをするよー」というアナウンスを時々流す。そのせいなのか、スペースでぺたぺた色を塗っているからなのか、ぽつぽつ売れたみたいだった。決して「よく売れた」訳ではないけれど。それでもって「スケッチ」の注文ばかりがガシガシたまってくる。

でもこっちでは水彩での着色はすごく珍しいのだそうだ。そうなのかな?私が中坊か高校かそこらの時、新宿伊勢丹でのサイン会ってのがあって、(チャリティーで有料だった。確か)手塚治虫大先生なんかが来ていまして、私はずーっとかぶりつきで見ていたんだけど、その時は、ざっとではあったけど、水彩かなんかで色紙に着色していたが。ま、最近では日本でもないかな?

あんまりきれいって訳じゃないんだけどねー、ありあわせの絵の具と筆だから。筆質の悪さはすごかった。子供向けだからって手を抜いちゃ駄目だと思うぞ! その上、ちゃっちい絵の具は一日で数色がなくなってしまって、また翌日買いに行く羽目に…!色紙も、「100円ショップ色紙」ってのがあって(2枚入りのやつ。「タイゾー」ブランドだ!いったいどこで売ってんだろ?)これがまた水を吸わなくて塗りにくいのだ。こっちはコピックのほうが、却って綺麗に出るのかも知れん。

とにかく「カラースケッチ」の注文が溜まってしまって、これ以降はとてもどこかのブースを見に行くなんて余裕はなくなった。



 19日

絵の具を買いに出たらこの日もまた雨が降った。この雨はすぐに上がってしまったけど、なんとも妙な蒸し暑さに。絵の具を買いはしたものの、汗びっしょりになってしまったので一旦ホテルに帰って着替えてくる(会場はすごーく冷房が効いているのだ。半袖では居られないくらいなのだ。濡れてたりしたら風邪引いてしまう)。結局この日も会場に戻ってきたのは11時近かった。しっかりせかせか歩いて、おかげで筋肉痛になった。

朝食も昼食もとらずに働いていたらスタッフ手伝いをボランティアでしてくれている中の一人が差し入れにチョコレートを。スタッフみんなへの差し入れだったのだが半分くらい一人で食っちまった気がする。

土曜日だということもあって最大の人手。ホテルで着替えてから会場に入るまで人ごみで通れず進まず。でもってなんだかいっぱいカラースケッチの注文を受ける。「舌をちょっと出しているとこ」とか「SDのマスコットと一緒に居るトコ」とかだんだん注文が増えてくる(笑) いいおっさんが描いてもらった絵を嬉しそうに見ている図は「なんともいわく言いがたい」(笑)ものがありました。嬉しいんだね、ホントに。ふふふ…妙に微笑ましい。おじさんたちはちゃんと本を買ってくれるし、あり難いね。

一人だけヒーローを描いてくれって女の子がいて、私が間違えてヒロインを描いてしまったのを見て泣きそうな顔をしていたのが印象的だったな。描きなおしましたけどね、もちろん。後は頼まれたのは女キャラばっか…いや、奥さんにヴィエント描いてってのがあったな。WPの英語版は2,3日前に1巻が出たばっかなので、もしかしてこの人はアニメのヴィエントを描いてほしいのかなと思ったけど、何も聞かずに、有無を言わさず漫画版を描いた。日本語のコミックスを持ってきて、それにサインしてくれって人もいた。ブックオフで買ったんだって。

てことでWPアメリカカナダ版が発売されたばっかりだったんだけど、結構ピーチキャラを描いてくれって人は多かった。変なコレクターもいて、「今まで誰からもリクエストされなかったピーチのキャラクターを描いてくれ」…?誰でもいいなら描かなくてもいいじゃん?まあでも、ドイツの時みたく「らんまを描け」とか「象を描いて」とか言うへんてこりんなリクエストはなかった。

結局あまりに注文がたまってしまったので、途中から「明日渡す予定で描くけどできるかどうかはわからない、それでもいいなら」受けると言うことに。しかし土曜日しか来ないとか日曜は帰るから入場券を買っていないとかいう人が結構居て「何とかできないか」と粘られたりもした。通訳をかねてブースにいてくれたFanboyの編集さんに無理やり送ってもらうよう頼み込んでいた人もいたらしい。後、不思議だったのが立派な大人の方なのだが、15ドルと言うお金がないらしく、「クレジットカードは受け付けてくれないのか」とかいって粘る人も。ふーん。色々あるからキャッシュ使い切っちゃったのかね?

なんだか知らないけど「メキシコTV」のインタビューも受けた。メキシコでもお前の作品は人気があるのだといわれた。ピーチのアニメのことなのかな?(細かいことは英語がつたないせいで聞けず)…ただしメキシコで放映されたかどうかは知らない。大体英語のインタビューだったので、ちゃんと答えられていたかどうかもあやふや(爆)

この日はスタッフの作品のファンの方々のおごりでステーキハウスに。ごっつ分厚いミニフィレステーキをご馳走になった。ミニとはいえ立派なボリュームである。皆さんはもちろんでっかいのを食べて、サイドメニューを食べて、大きなデザートケーキを食べていた。アメリカ人凄過ぎ。でも私もデザートにシャーベットを食べたら(ケーキはどう考えても絶対無理)「あなたは食べるのが好きと思いました」(この人は日本語をちょっと話す) …って、おい…

彼らは「Wasabi Anime Rules」とかいうアニメファンのサークルを作っているとのこと。何でわさびなのかなー。でもね、彼らはWPにはちっとも興味がなかった(笑)ビデオガールとかが好きなんだって。おたく君会話で盛り上がってレストランを後にしたのは夜中の12時半。従業員と一緒に店を出た。とっくに営業時間終わってたんじゃなかろうか。他の客は一人も残っていなかった。(笑) 




 20日

最終日。この日、朝早起きして少し色塗りをする。宿題ってトコですかね。ホテルの電気は黄色いので、窓際に座り込んで(全面下まで窓になっていたのだ)そこら中塗りかけの絵を散らかしてペタペタ。もし外から見えていたら異様な風景だったろう(笑) 

ホテルを出るときにチェックアウトする行列を見た。(会場に近いホテルなので泊り客殆ど全員がイベントの客か関係者なのだ) 月曜からの仕事に備えて今日帰る人が多いらしい。そういうことだからか、会場の賑わいは土曜日ほどではなかったが、仕上がった色紙なんかをそこらに並べて彩りにしていたりしたので、間断なく人は来たりはしてた。「色紙はいくらなの?」と聞く人に対して「色紙はもうできないけど、本を買ってくれたら一色のスケッチは描いてあげる」と言っては本を売りつけまくる。うーん…ちょっとあこぎな商売をしているような気もする。しかし「それじゃいらないや」と言う人も結構いて、不思議。もし漫画が気に入ったのでなければ、アメリカじゃ殆ど無名の作家のラフスケッチにいったい何の価値が?

どうも話によるとある種の「コレクション」の対象にしているらしい。あんまりそいつが描いているものには関係ないっつーか。漫画本も、見ているところにスタッフが「ここに作者がいるからお買い上げいただければ、サインをしますよ」というと、「じゃあ買おうかな」と言う人が結構いるのだ。漫画が好きで、だからその作者のサインがほしいんじゃないの?とかって思ったけど、ま、考えてみれば日本でも「なんだか知らんけど漫画家ならサインもらっておこう」ってヤツはいるから、そいういう事なのかな。

この日も同じ方からチョコの差し入れ。昨日がっついていたからだろう、スタッフに一箱、そんでもって私にも別に一箱くれた(笑) でもその日はホテルの売店でスニッカーズを買ってきてかじってたんだよーん(やはり何も食べないで夜までいるのはひもじかったんで)

あまりの混乱で(当日仕上げて渡した色紙は22枚くらいあったのだ!)受けたキャラを間違えて描いちゃって描きなおしたり物凄くばたばたする。その合間にWebファンサークルのインタビューを受けたり(今まで出した単行本の最大部数は?とか、キッツい質問されましたぜ。あんま売れてなかったからなーピーチは。そういう微妙な質問はしちゃ駄目だって。) アメリカでのピーチ出版社VIZに挨拶に行ったりと(このVIZがいわく付き。なにしろ数年前にWPアニメは「ゴミ」だ、と言うレビューを書いたアニメ雑誌「アニメリカ」の出版元なんである。なんだか笑えるなあ…社内で何かあったのかしらね。ちょっと構えちゃったけど丁寧に応対してくれました・笑) あわただしい一日だったけど、何とか終了時間までに請け負った色紙だけは完成。えらい!

結構日本語をそれなりに話す人がいて、チョコチョコ話しかけられたりした。話すだけ話して買っていかない人も時々。ふふふ…買ってよ。漫画よりも絵がほしいみたいなのね。さっくりと、ありあわせの絵の具で塗っただけの代物なんだが。…なんでかなあ。私だったら漫画のほうがいいけどな。漫画は4ドル(特別会場価格)でいいんだから。とりあえずWP効果で今後に期待(笑) 頼むぜVIZ。 



 21日

飛行機が9時50分発。けど、早く目が覚めてしまったので7時半ごろさっさとチェックアウトして空港へ。他の面子は列車(アムトラック)でロスへ行ったり、プロペラ機でロスに行ったりするので時間帯が違う。とっくに出発済み。私は一人だけサンフランシスコ経由なので。

でもプロペラ機は物凄く揺れるらしく、サンフランシスコ経由のジェットにして正解だったみたいだ。空港でちょっと話をした日本人が、「何度も来ているけど必ずサンフランシスコ経由にしている」と言っていたし。

おまけに、なんと飛行機、隣の席に座った二人はWPアメリカコミックの出版元VIZのアニメ情報誌編集部に勤めてる人たちで、ちょっとだけ話したりもして。(会社がサンフランシスコだから帰る所だったんだろう) そう、アメリカのファンサブの方いわく「我々の(WPをアメリカで見る)望みを打ち砕いた」張本人様である。そのレビューを書いた御当人だったらホント笑えたんだけど、そうじゃなかった。

乗り換えてJALで成田へ。チェックインのとき、JALのカウンター受付のおねーさんは東洋人ばっかりで、何人かは日本語で応対していたから、なんとなく「もしかして全員日本人(もしくは日本語OK)なのかな」と思ったら私が並んだところは中国系の人で聞き取りにくい英語を喋った。ま、JALなら必ずカウンターか近くに日本人の係員がいるみたいだから、万が一複雑なことになっても大丈夫なことは大丈夫みたいだけどね。

帰国便では通路側が取れなかったのか(ちゃんと早割りで通路側予約したのだが)、普通のエコノミーではなくて座席が広いタイプの席になっていた。ラッキー! ゆっくり寝よーかな、と思ったけど、隣に座った中国系のアメリカ人が話し好きなおじ様でずっと話していてしまいました。ははは。でも面白かったから丸だ。どっちにしろああいうところでぐっすり眠れるたちじゃないからな。

帰ってきたらちょっと時差ぼけ。夕方すごく眠くなる。向こうでは明け方くらいなのかな?

で、今は取り立てて迫り来る締め切りがないから寝てしまったりするのだ。…時差ぼけ解消できず。だめじゃん。