コペンハーゲン2 お仕事 Copenhagen
コペンではそれなりに「自由時間」があって、中心地をちょろちょろ歩いたが、しっかり働きもした。
付いた当日の夜から「お食事会」で、出版社、EMAとVIZ(アメリカのVIZにはWP出してもらってます^^;)の人や美術館の人やなにやらとお話したし。この時にテーブルの隣にいたのがM.F氏、スヴェンボー市(Svendborg)国際業務視察担当官。日本からの視察団や研修生の面倒見る人って事だ。日本語も喋るし、留学経験もあるそうで。で、話の流れでコペンの後スヴェンボーに行くことになったりしたのだ。

ドイツの出版社EMAと同系列のEMAがデンマークにあります。ってーか、EMAの親会社Ephapaはデンマークの出版社です。で、ドイツではEMAとライバルのカールセン(2大漫画出版社といったところ)という出版社があるんですが、デンマークのカールセンはEMAに吸収されて事実上同じ会社になっていたりします。ヨーロッパの国際関係というのは複雑だけど、そこのところは出版社も変わらないようです(笑)
コペンでは大使館の文化部Oさん(前述のOさんとは違う人…O嬢(笑))が面倒を見てくださった。今彼女に渡されたスケジュール表を見ると…
29日到着・夕食
30日美術館で打ち合わせ、昼食・市内観光(自由時間ですね)夕方ワークショップ・夕食
31日 午後からKomicDK インタビュー・サイン会・夕食会(KomicDK主催)
1日  16時からKomicDK会場にてサイン会
2日 朝スヴェンボーへ出発(ワークショップ?)

…あんまり働いていないようだが、私は働いたのだ(笑) その証拠に(??)4泊もしたのにスケッチが殆ど無い。まあね、泊まったOさん宅の客室がとっても快適で「寝れない」なんて事が無かったのと、バスルームがあった(バスタブ!)のでお風呂にゆっくり浸かったりしたのと、殆どの時間一人じゃなかった事と、諸々の条件が重なったからってのもあるが…
ワークショップ In Copenhagen 
イラストは後描きです、もちろん
このワークショップは日本大使館運営のClub Nippon)のイベント。この「クラブ」では日本文化関係の色々なイベントを通して日本を紹介している。上映・展示会やワークショップから「花見」といった野外活動まで様々。

ワークショップ会場は小ぶりの教室といった感じなのだが、参加者分の椅子と机を入れるのが大変だった。
椅子が立派なデザインなので(さすが北欧?パイプ椅子なんて代物じゃないのだ)詰められない(笑) それにしても、なぜそんなに大勢受け付けたのだ?(結局何人だったかって?…忘れました^^;)
Club Nipponってのは、日本に興味のある人に登録してもらって、そのメンバー対象にいろんなイベントを開いている。別にマンガやサブカルチャーに特化しているわけじゃないから、いろんな年齢層のメンバーがいる。

ドイツフランクフルトのワークショップも参加者のレベルや興味はバラバラだったが、今回は年齢層までバラバラ。子供から初老の方までいるのだ!あまりにもバラバラなので、一般的なマンガっぽいキャラの描き方くらいしかやることが無い。
早めに来た初老の女性に聞くと「好奇心から」だそうだ。そりゃそうだ、デンマークで日本のマンガが市民権を得てきたのはつい最近のことなのだ。孫や子供が熱中しているのを知っているくらいのものだろう。この人は終わってからノートを見せてくれた。私が模造紙に描いた絵も模写してあって、かなりきっちりしたノートで驚いた。面白かったのかなぁ?だといいけど…

これは一般的な2時間足らずのワークショップ。「デンマーク人は
シャイで上手く水を向けないと質問しないよ」といわれたが、それなりに質問も出て、
笑いも取れたから、よしとしようと思う(笑)

「可愛い動物の描き方」(昔のディズニーなんかは可愛かったと思うけどな)とか「男の子と女の子の描き分け方」とか、はては「Old Peopleの描き方」まで質問が出た。キミ、描くのか?(笑)

終わってから、自作のマンガ(心象風景の
短編。一応ちゃんとしたマンガ)を見せに来た
子がいた。大使館でインターンをしているA君に
日本語を習っている女の子で、セリフも日本語で
書いている。ちゃんと始めて終われるってのは、
こちらのアマチュアとしてはではかなりなモノだと思うのだ。

北欧では小さい子供以外は殆どが私よりよほど上手く英語を話すので全く問題ない。多少ヘンでもちゃんと推測してくれる(笑)
Club Nipponn 最近のイベントRecent Event に英語ですが簡単なレポートがあります。
"Manga Drawing Workshop (30/05/08)"の項目

KomicDK
ComicDKの入館証コペンハーゲンで2年に一度開かれているコミックコンベンション。書店や出版社がブースを出して、コミックアーティストのワークショップやサイン会(ブースを出している出版社や書店が各自に企画運営しているらしい)がある…ヨーロッパの平均的なコミックイベントだ。ドイツのエアランゲンでこれも毎偶数年に開かれているコミックサロンと同じ感じ。基本的に「コミック」のイベントなんだが、Mangaがメジャーになってくるのに伴って「マンガ」も取り入れようというのもエアランゲンと同じ。(ただし、規模はかなり小さい) ドイツではそれが2002年だったがデンマークでは今年08年、初めて日本からのゲストを迎えたんだそうな。

正式のゲストは京都精華大学でマンガコースの講師をなさっている西野夫妻(お二人とも漫画家)なんだけど、ComicDKから日本大使館に話が来て、谷沢直が丁度来るから、まぜようという話になったらしい。
デンマークでは、日本の超メジャー「NARUTO」とか「NANA」とか「犬夜叉」とか、そいうモノしか出版されていないので「日本の漫画家」というだけの位置付けだ(笑)

インタビューって何をするのかと思ったけれど、まあ、一般的な「日本マンガ」についての質問で終わった。そんなに時間もとっていなかったし、聴衆からの質問もあまりでないし(作品を知らないんだもんね、当たり前だ)あっさりしたものだ。 でも「日本のマンガ界には”カンヅメ”というものがあるそうですが…」なんて妙に事情通な質問もあったのだ。カンヅメなんて日本人でもあまり知らないだろうに…。

写真はインタビュー会場。顔が隠れているのがインタビューされている人(笑) ドナルドダックのアーティストとして超有名なアメリカ人らしい。その辺のことは全く知らないけれど、我々のインタビューより観客の熱気はあったと思うね。この場にはいなかったけれど、少数ながら日本アニメのコスプレをしている人もいることはいた…。ただ、J-POPCONってイベント(なかなか手作り感あります(笑))が毎年あるから、彼らの焦点はそっちだろう。
カンヅメってのは作家が逃げないように編集者の目の届くホテルに押し込めて描かせる事。今はまず無いです。昔と違って作画に使う道具も多いし、アシスタントもいるし、かえって効率悪い上に、作家が皆小粒になってまめに締め切り守るから。…寺に入れられたというツワモノの話も聞いたことがあるけど(笑)
アシスタント時代に、作家さんの部屋を改装する期間に締め切りが当たってしまうというので、その間小学館の傍のホテルで仕事したことが一度だけあるけど、道具を抱えてホテル入りは面倒だし、ホテルでの作画はやりにくかった。4コママンガとかならまた別の話だろうけど…。