スヴェンボー Svendborg 
2日 9時に大使館のO嬢に迎えに来てもらい、途中で西野夫妻を拾ってコペンハーゲン駅からスヴェンボーへ。彼らはこの日一日オフでコペン観光でも、という話だったんだが、結局スヴェンボーでのワークショップをとったのだ。さて、ホテルに(Cab in Scandinavia)着いてレセプションで聞いたら「Nishino」なんて人は泊まっていないという。????結局ホテル側が名前を間違えていたらしい。…って、そりゃ、日本人の名前は覚えにくいだろうけど、チェックインの時パスポートのチェックとか宿帳記入とかクレジットカードのチェックとかするだろ??…ComicDKがホテル取ったからそういう事しなかったのかなあ?後で聞いたらそんなことも、たまにあるらしい。デンマークのお国柄なのか?
O嬢に切符を買ってもらい(私はユーロパスを使った)、列車に乗せてもらって出発したのだが、その列車の出発が30分くらい遅れて、駅に迎えに来ていたスヴェンボー市職員のM・F氏はかなり待たされることになった。このときの遅れが最高だったかな。ドイツの列車も「正確じゃない」と皆口をそろえるが、デンマークに比べると少しマシな気がする。

我々は市のお客なので、市のおごりでデンマーク名物のオープンサンドイッチなんかご馳走してもらい--私と違って夫妻は明日帰国で泊まれないので--街の風景などを見ながらF氏の家に向かう。

「魔女の宅急便」の舞台のような風景(もちろん本当のモデルは他にあるが)だというMお気に入りの場所
スヴェンボーはまず日本のガイドブックには載っていない、デンマークの南、アンデルセンで有名なオデンセもあるフュン島の南端。コペンから直行の列車も無い。が、日本からの視察や研修の受け入れに力を入れているので、「それ用」の日本語のパンフレットもある。まあ、そういうのは「ガイドつき」が前提だから、「こんなのがあります」程度の内容だが。M・Fはその視察受け入れ担当官なので日本語も話す。空手か何かのブラックベルトで日本留学の経験があって篆刻が趣味で盆栽(?)もたしなむ人物で、日本の伝統文化が大好きで、日本のマンガに特に興味はないが、彼が日本語を教えている生徒たちはマンガが大好き。…日本語を習うきっかけって以前は武道だったり着物だったりしたけど、今はマンガ・アニメが圧倒的かも…。

このM・F氏からWhat/Where/Whoという予定表を渡された。Meet/Nyborg(駅名)/Brankってな具合。…お役人ってことなのか彼の性格か…要るかね、こんなの?日本大使館も日程表くれるけど、それより凄い(笑)。
Workshop in Svenborg
まあ、このために来たわけですが、この日は偶然にも学期の終わり(確か高校以上だったと思う) で、学校行事として海に繰り出す日なのだそうだ。夏で、天気もいいから北欧の若者は開放感に浸りつつ日光の元で大騒ぎをする。んで、これまたMが日本語を教えている学生で連絡の取れる人たちに急遽連絡を取って(なにせ、29日の夕食会の席で出た話しだから)集まれる娘だけ集まって、でもって学生が大騒ぎをするその海で、って…海でワークショップ?と思ったらこういうことだった。

こういう所でやったわけですよ。写真の向こうに見えてるのは海です。みんな学期が終わった開放感で
爆発してるしサッカーしてるし大騒ぎ(笑) 急な話でよく集まったな、といえるかも知らん…。
M・F氏の生徒さんが女の子しかいないのか、マンガが好きで描いているのが
女の子だけなのか、たまたまなのか、この日集まったのは
全員が女の子だった。

コペンハーゲンのワークショップはそうでもなかったけど、
どうも実際にマンガを描いているのは女の子が多いようだ。
今度行った時に聞いてみよう。

彼女達が見せたのはイラスト。日本のアマチュアと比べても
引けをとらないほど上手な子もいる。今はPCで彩色もできるしね。
プロの大学講師にして作家の西野夫妻がいるんだから私がすることも別に無いんだけど一応雑談をした(笑) 

ローカル紙に載った写真
Mは地元の新聞社に連絡を入れて、取材に来てもらったらしい。別に話を聞かれたわけではないんだけど、2,3枚写真を撮っていった。で、「載りました」といってWeb記事をメールしてくれたんだけど、デンマーク語だから読めない(笑) 短い記事だから「マンガ家がきた」くらいのものだったんだろうが。ローカル紙の取材を受けたことは何度かあるけど、記事を見せてもらったのは初めて。
夏のヨーロッパのおもてなしといえばバーベキュー…なのかどうか知らないけど、M氏の実家でバーベキューをご馳走になる。このグリル台(?)はお手製だとか。
ここで今度は南フュン観光局チーフのN氏に紹介された。この人も日本語を話すのだが、スヴェンボーではこの二人だけだとか…(そんなもんか、まあ) この人は「観光局VIPカード」というのをくれた。観光地入場料その他もろもろの特別待遇が受けられるというやつだ。オーフスとかオデンセにこういうツテがあったらよかったのに(笑) 翌日行った観光局には英語のパンフレットよりドイツ語のパンフレットの方が多かった。こっちの方まで足を伸ばすのはやはり近場のドイツ人ということか…?
3日 朝ちゃんと(?)Mがホテルに拾いに来てくれて、観光局でVIPカードと観光パンフレットを貰い、観光に。観光船が出るまでの時間、「本屋を見せたい」とM。日本のマンガが沢山あるから、というのだ。
しかし並んでいるのはNARUTOにDragon Ballに遊戯王にOne Peace。ジャンプ強すぎ…(・_・;) BASARAとかもあったけど、やっぱり主流はドラゴンボール、NARUTO、One Peaceなんだな…。遊戯王は低年齢層に受けているんだと思う。「遊戯王が好き」って子には会わなかったが、これもドイツでも良く見るマンガだ。
街で最大の書店の日本マンガの棚(この一角だけですよ)。街の規模や、日本マンガが紹介されて浸透し始めたのが比較的最近なのを考えれば、そしてデンマーク語がマイナーだということを考えれば(若者はアメリカ版が読めるのだから)、確かに大したものだと思う。

さてそこに、マンガの描き方みたいな本も何冊かあったんだけど(中には、もう苦笑するしかありません、みたいな代物もある。私がたまに手伝うHの「まんがの描き方」にもたまに「んん?」なんてのがあったりするが、彼のシリーズはかなりまともな方だ)、その中にHのコレがあった。
"Magical Girls and Friends" 

「この原画描いてるよ」といったらM(M・F)は
「凄いじゃないですか!」と興奮していた。
…WPとか描いていた事の方が、凄いというなら
何ぼかよほど凄いのだが、その辺はMにはピンと
こないようだ(笑) まあ、WPのデンマーク語版は
出て無いしな^^;


Mが撮ってくれるというのでせっかくだから撮ってもらった(笑) このボートで向かったのはValdemars城。一応観光地だし、観光客の一団が降りてお城に向かうのだが、…少ない…。

え?ここ?ッてな感じ。
観光というより殆ど近場の
人たちがピクニックに来てい
る感じだ。ビーチ(?)もある
し。

そうはいっても、お城(マンションだね)の中はそれなりに見るものもあるし、解説ガイドも貸し出してるし
(剥製のコレクションはちょっと辟易だが^^;)、お土産売り場もあるし、たっかいアイスも売っている立派な観光地 
マンションから船着場に向かう道。ものの見事に
何も無い…^^;


こちらスヴェンボーの町並み。近場なんだから不思議はないが、まるでオデンセのアンデルセン生家あたりのようだ…

街の中心あたりはこんな感じ。スーパーもある。…スーパーの青果の質は地方だからといって良いわけじゃないようだ。…そりゃそうか。

ホテル(B&B…といっても朝食なしだが) バストイレ共同300クローネ。ツインだがシングルの値段にしてくれた…んだろうなあ?
共同キッチンと居間。1人でしかも2泊じゃ使いようもない。ドア一枚隔てた居間にはTVとPCが置いてある。幸い夜中にTVを観るような人はいなかった。ちなみにPCはタワーが欠損中なのだが何故かモニタの電源だけは入っていたのだ。

明るい夕方の街をぶらつこうと部屋を出たらPCの前に座っている人がいた。ひょっとしてPCが使えるのか?(宿のおばさんは案内してくれた時に「自由にネットを使える」っていったんだよな…このPCを指して)と思って話しかけたが、やっぱりタワーが無いんだから動かないんだった。いや、もしかしたらどっかから接続用のコードでも…って思ったのさ。

オーストラリアから来たカップルだが、こちら(ユトランド半島)の出身で、帰郷がてら観光しているのだとの事。ある意味地元なので色々話してくれた。この後オーフスに行くのだといったが、「オーフス」が通じない…。書く(笑)
 
 「日本のマンガアーティスト」も通じない。そうかオーストラリアもダメか。しみじみドイツとの違いを感じる。…ドイツでもトルコ人のジイ様には通じなかったんだが。

この人はネットでこの宿を見つけて試してみたのだそうだ。ネットにはどう書いてあったんだろう?

線路の傍だし壁は薄いし。なんせ隣の部屋からのイビキに悩まされたのだ。同部屋じゃなくて、隣の部屋だぜ!?
問題のPC。目覚まし時計も選り取りみどり…?
選りにも選って踏み切りの傍。二重窓くらいじゃこの音は
どうにもならない。さすがに田舎で夜中まで列車が走る
わけじゃ無いからまだいいが…