食事

ギリスの料理はまずい、とよく言いますが。別にそういうことは無いと思いますけどね、何処でも美味いもの(店)は美味い、不味い物はまずいと。まずいものが比較的少ない国とかはありますけど。中国とかイタリアとかトルコとか(異論がある人もいるでしょうけど^^)

我々がイギリス料理、イギリス料理、と騒ぐので(笑)Johnはイギリス家庭料理を何度か作ってくれた。結構手間がかかったりするものもあったのに…。


ローストビーフ

イギリス料理といえば、まずローストビーフ。「イギリスの食べ物はまずいが、これだけは別」という人もいるそうだ。「日曜日はロースとビーフでお父さんがサーブする」というのが伝統。この家はいつもお父さんが料理して、お父さんがサーブしているが(笑)。この写真、ちょっと見にくいですが、付け合せのヨークシャープディングの形何とかわかりますよね。私これが付いた本式のロースとビーフ食べるのは初めてだったのでちょいと感動だったですよ。(以前、ロンドンのファミレスみた様な所で食べた時には、フライドポテトが付けあわせだった。ちなみにマズイ店だった!)Johnはでかいので、プディングも2個。

JohnのローストビーフワインOld Git

この「ヨークシャープディング」は貧しい時代、肉を少なくすませるために作られたものだそうだ。今ではローストビーフの付けあわせといえばこれ。後はポテトとニンジンと豆ですね。これ、プティング(所謂蒸し菓子)といいつつ焼きもの。卵と、ミックス粉とで…とかって聞いたけど忘れてしまいました。この形に膨らますのが難しいのだそうだ。回りぷっくり、真ん中もちもちで、肉より美味しいくらいでした(ごめんよ、牛)

もちろん肉も美味しく頂きました。牧草で育てた牛なのかな、脂肪が少なくてさっぱりしていた気がする。味付け自体はすごくあっさりしていて(イギリス料理全般そうだ。そこんとこが不味いといわれるゆえんなのかも知れない)、自分でグレイビーソースをかけて調節して食べる。これがまた、一から作っているのかと思ったら「インスタント」がスーパーでちゃんと売っていた。ローワン主演のコメディ、「シンブルーライン」で主人公の彼女がインスタントコーヒーと間違えて「インスタントグレービー」を使うというのがあったけど、ホントにあるのだ。茶色い粉末。(だけど、これを間違えるのはちょっと無理があると思うが。砂糖と塩を間違えるのとは桁が違う)

このインスタントグレービー、コーンスターチと調味料が混じってるもの。それに水と油(調理の時に出る肉汁)を加えて作る。折角だから一箱買ってきて、家でも作ってみた。肉汁ではなくて、バターを入れて、茹で野菜にかけてみたら、何気に美味しかった。特にニンジン。機会があったら試してみて。ただ、油ッ気を入れないと、大変にすぬけた味でいただけない。

写真に写っている赤ワインはその名も"Old Git"「Gitって、あの…?」とJoに聞いたら「お父さんのセンスなの」。こういうオッチャン好きだなー!一本買って帰ればよかった。(Gitってのはバカの俗語。Stupidとかよりキッツイ感じになんじゃないかなー?学校ではまず習わない言葉…でしょうね) あ、手前に写っているのはグレイビーソース。 
シェパーズパイシェパーズパイ

羊飼いのパイ。これもイギリスを代表する料理でしょう。パブランチでも定番メニューみたいだし、ハリーポッターで(何巻だったか忘れたけど)食堂で食べてた記憶がある。ブラックアダー(すみませんね、またローワンです)もミギンズ夫人のコーヒーショップで注文してた(Part3)。

パイというけど、グレイビーで味付けをしたひき肉のうえにマッシュポテトを乗せてオーブンで焼いたもの。辞書には「マッシュポテトで包み」と書いてあるから、この辺がパイという名の由来なのかもしれないが。

ひき肉には「グレイビー味」が付いているが、例によって野菜類は無味(茹でるのに塩も入れないのだよね)なので、別添えのグレイビーソースなどをかけて食べる。


それにしてもこの写真、よくとれてますよね、Tさん撮影です。写真撮るなんて考えませんでした、私。

魚料理

写真はありませんが、イギリスは島国ですからもちろん魚もよく食べます。有名なのは朝食で食べる「キッパーズ」。ニシンの燻製だね。誰かがエッセイで、「しょっぱくて美味しいものではなかった」と書いてあるのを読んだ事があるけど、私が食べたのは美味しかったです。すごく。脂が乗っていて香りもよくて、日本人の口に合うよね、とTさんと絶賛したのだ。小骨がすごく多かったけど…。

オーブンで焼く。匂いが付くから、普段焼くことは殆ど無いそうだ。特別に焼いてくれたのだ、ありがたや。しかも、「ここのが美味しい」と、バンブラに出かけた帰りにファクトリーによって、そこで直売しているのをわざわざ買ってきて、だ。(学生が見学に来ていた) Johnは魚類はスーパーでは買わないのだそうだ。「臭くて美味くない」のだそうだ。さすが、男の料理はこだわりの料理だ。

別の日に夕食でます料理を作ってくれた。友人が釣ってきたものだとか…おお。生姜を始めとする種々のハーブをおなかに詰めて暫く置いたものを焼いたのだそうだ。これまたあっさり味で、だけど全く臭みは無くて「大変おいしゅうございました」。だがJohn本人は「ますはあまり好きじゃない」とタラを食べていた。…ほんとにそうだったのならいいけど。もしかして数が足りなかったとか…

も一つ有名な魚料理が「フィッシュ&チップス」。ファーストフードで、魚のフライとこんもりのフライドポテト。
魚の種類もいろいろで(みんな白身魚だけど)、メニューで選べることになっているが、まあ、何がなにやらわかりません(笑) サイドメニューをそろえている所もあるし、一本に絞っているところもあるし、店によっては殆ど違う料理になってたりもします。量の加減がわからなくて困るんだよね。スコットランドで食べた時は脂っこくて飽きた。で、そこで私が残したものだから、そのあとチェーンのファミレスみたいなところ(F&C専門のファミレスがある。チップは不要だ)では「Tさんとシェアしたら?」と言われ…でもそこのはさっくりしていてしつこくなく、ポテトもさほど多くは無く、ちょっと物足りなかったのだった。うーむ。
ビネガーをかけて食べましょう。基本的には白身の魚のフライだから美味しいっす。イギリスに行ってこれを食べずに帰るというのはありえんでしょ。


朝食

誰かいましたよね、「イギリスで美味い食事をしたかったら三度とも朝食を食べるといい」とかいった人が。基本的な朝食はベーコンとソーセージに卵、三角の薄いカリカリトーストにバターとジャム、焼きトマトやマッシュルームといった野菜類。…てな感じ。特にベーコンが美味い。日本のものとは食感も香りも違う。なんでかねえ。これをカリカリに焼いて食べる。卵の黄身とあわせると大変に美味しい(コレステロールも高そうだ^^;)

でもこれはB&Bとか、ホテルのイングリッシュブレックファーストとかの話で、普段家でははシリアルとミルク、チーズ、フルーツジュースといった、火を使わないメニュー。シリアルなんかでっかい箱で何種類かかってあって、3-4箱朝食のテーブルにどかっと出される。ソレを勝手に食べていた。それでも我々がお邪魔していた時は、朝ゆっくりしていられる日は(朝早く出かけない、ということだ)ベーコンを焼いたり(サンドイッチにして食べた)、上述のキッパーズを焼いたりしてくれた。

不思議なのは、食べる量。シリアル朝食を食べるところを見ていると、量的にこっちと差ほど変わらないのだ。ところが外で食べるとなると、ホテルでもB&Bでも、たっぷりベーコン&ソーセージ、卵と焼き野菜、トースト数枚というメニューを平らげた後、殆ど皆がトーストのお代わりをする。イギリス人の胃は伸縮自在なのか?


お菓子
Joの家ではcookingはお父さん、bakingはお母さん。お母さんは心臓を患ったことがあるので、バターを控えて全てオリーブオイルで自家製のケーキを焼く。「バターの方が、コクが出て美味しくなるんだけど」。いやいやどうして、これがさっぱりして美味しいんだな。定番はドライフルーツが入ったカップケーキ。まとめて焼いておいて、お茶のたびに出てくる。これがこの家の「お袋の味」なのだ。
特別に焼いてくれた「クイーンビクトリア」が何とかかんとかのケーキ(ビクトリア時代からの伝統的なケーキだとか何とか言ってた気がするのですが、…忘れました) ゴーカ!でどっしりしてて、質実剛健、「イギリスっぽいなあ」とヘンなところで納得してしまったのでした。

も一つ焼いてくれていて、ソレは焼きあがってから一週間くらい寝かせて、味が落ち着いて全体がしっとりしてから食べるというタイプのケーキ。半生菓子みたいな。なんかね、至れり尽くせりですごい贅沢な生活だったっすよ。「ママのケーキが一番美味しい」
はっは、甘美なセリフだ。(笑)

イギリスといえばリンゴ(クリスティーのオリヴァ夫人!)、アップルパイが有名。レストランで素朴なのを食べた。アイスクリーム添え。中味のリンゴが、かなり酸味が利いていて美味しかったですね。ごっつ甘すぎ、ってことはなかったなー。ぺったんこで焦げ目が無く、なんというか、昔の(あっちの)アニメに出てくるアップルパイそのまんまな見た目で、かえって新鮮(笑)。サクッとはしていないのだ、べちゃって感じなのだ。

後はカスタードですよね、カスタードクリームをかけたケーキとか結構ある。今回はカスタードタルトを食べただけだったけど。ふふふ、重くっていまいちだったわ。キャロットケーキが一番無難です。栄養もあるしね(笑)

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